おはようございますくもり


今日は今のところ揺れてないですねペンギン

このままおだやかな週末でありますように・・・・。


さて、昨日は「ウェイクアップぷらす」で、金正日総書記の長男、金正男氏とメールのやりとりをし、7時間に渡るインタビューをした東京新聞の五味洋治さんがいらっしゃいました。


五味さんはそのやりとりをこちらの「金正日と私」という本でまとめています。


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北朝鮮の行方は日本にとってもアジアにとっても大きな影響を及ぼすことなので、情報がほとんど取れない中での金正男氏のインタビューは非常に貴重で、私も興味深々で読ませていただきました。


「金正男」といえば、またぎみたいなチョッキ姿でディズニーランドに遊びに来て、仏頂面で強制送還された姿があまりに強烈だったので、北朝鮮王朝の放蕩息子という印象が強かったのですがガーン


読んでまず驚くのは、メールのやり取り、その中での相手への気遣いは、とても常識的で、普通に会話のできるジェントルマンという印象であること。

そして、北朝鮮という国を客観的に分析できる目を持っている知性ある人物に思えることです。


彼は9年にも及ぶジュネーブでの留学生活で、資本主義と自由を知り、さらに中国の経済発展を目の当たりにし、北朝鮮の改革開放を真剣に考えるようになったのだそうです。それは、今も変わらず、メールでも何度も主張しています。

そしてそのことをこれまで何度も父に進言したことで、父から危険視されてしまい、その結果二男、三男のスイス留学は短縮されてしまったといいます。


海外での留学生活を経て、正男氏のように北朝鮮の現状に疑問を抱くことは極めて自然なことだと思います。

ですから、留学経験のある正恩氏も何も感じないはずはない!と、私は秘かに変革に期待をしていたのですが、どうやら外部との接触はほとんどないまま帰国させられたようですしょぼん


正男氏は世襲についても否定的で、実は、金正日総書記自身も「社会主義に世襲は合わない」として、三代の世襲を最後まで否定していたのだそうです。それが突然世襲を決断し、正恩氏になったのは「そうしなければならない内部要因があった」と言っています。



ずっと読んでいると、正男氏は、自分は後継者になる気もないし政権とは何の関係もないとしながらも、

北朝鮮に、もっと言えば父・正日に、五味さんとのやり取りを通して「どうか自分の想いを知ってほしい!認めてほしい!」という切なさが垣間見えてきて、ちょっと胸が痛くもなりますしょぼん


自分を可愛がってくれた父正日は、ジュネーブに留学している間に、母親から新しい女性へと心変わりし、母は失意の中、心を病んでモスクワの病院で亡くなってしまいました。

その新しい妻、高英姫夫人との間にできた二男、三男を溺愛していく父・・・。

きっと心の中で憎みながら、それでも父の愛情が欲しい、父からの信頼を獲得したい、というような複雑な感情を、私は感じてしまうのです。

(ここは受け取り方が様々だと思うので、是非読んでみてください。)



正恩の刺客?による暗殺の危機もあったようで・・・なんだか戦国絵巻の世継ぎ争いみたいな世界が、北朝鮮では実際に繰り広げられているみたいです叫び



とはいえ、金正日総書記が亡くなり、三男正恩が跡を継いだ今、彼はもう全く北朝鮮の行方に関係ない人なのでしょうか?


実は本の中で私が気になったのは、若い正恩の後見人と注目される金正日の妹、金慶喜&張成沢夫妻と、金正男との関係です。

彼は繰り返し、彼らからは格別にかわいがられたし、今も「いい関係」であると言っています。

張成沢氏はかつて改革開放路線を主張した人物であり、正男氏に後継ぎになるように説得した人物とも言われています。

今後北朝鮮は、正恩を顔として据えて、実際は父正日総書記の取り巻きであった「パワーグループ」が政権を動かしていくと言いますが、

パワーグループは、正日に恩義と忠誠心を感じていても、正恩にそこまでの忠誠心があるかどうかは疑問です。

もしパワーグループが混乱し始めたときに、張成沢夫妻と正男氏が何か行動に出るのか、出ないのか・・・。そして正男氏を保護している中国は?


というわけで、金正男氏はこれからまだまだ注目すべき人物なのかもしれません・・・・。