今日は文科省の原子力科学技術委員会に出席してまいりました。


福島第一原子力発電所の事故以来、

日本国内では「原子力は終わり」という空気があります。


それは仕方のないことです。


今なお事故は終息していないし、

私たちには実際の放射線の影響もわからない。


その状況下で原子力技術が果たしてどのくらい必要かなのか、

国の方向性も確定していないのですから、

なんとも言い難いところがあります。


しかし、この状況下でこそ、私はいろんな原子力関連の技術開発が

必要だと思っています。


まずは、除染技術を確立させること。

私は高圧洗浄機でシャーッと飛ばしている今のやり方がが、

本当にいいのかとかねてから思っています。


その建物、敷地からは確かに除去されるのでしょう。

でも、これって他に拡散させるだけで、かえってやっかいなことになったりしてませんか?

拡散させずに除去する方法を早く開発する必要があると思います。


それから、放射線被ばくの影響、医療研究。

農作物への影響。

本当のところ、どうなのか。どういう対策が必要なのか。

放射線量のデータだけ出されても、

それに基づいてどう行動していけばいいのか一般の人間にはよくわからないし、

それぞれの省庁で別々に対応するのもどうなのかと思います。

この問題に対しては省庁横断で一本化して、

国民に分かりやすくしてもらうことも大事なのではないでしょうか?



そして、そうした事故による放射性物質への対応技術が確立することが大前提で、

真に安全な原子力発電に対する技術開発がなお必要だと思います。


国内では議論もあるでしょう。

ただ、いくら日本がもう脱原発ということになったとしても

世界には今なお変わらずに原子力への期待・要請があることは

事実なのです。


どこからかといえば、途上国、新興国です。


インドは変わらず積極的だし、ベトナムもトルコも

一貫して日本への技術協力を求めています。


確かに、増え続けるあの莫大な人口と産業をどう支えていくのか・・・

新興国の現地に立ってみると、その問題にどうしても行きつきます。


先日行ったネパールも、小水力発電が中心ですが

冬場は川の水が枯渇するので1日19時間も停電になるそうです。

3000万人の人口を支える電力の確保ができなければ、

産業の問題も、ゴミの問題も、医療も・・・解決できないのです。

(う~ん、とはいえネパールの発電はどういう形がいいのか、わかりません。

水がないと原発は無理だし、大きな水力発電はヒマラヤの環境破壊にもつながるし・・・

もっと調べてみます。)


加えてCO2の問題・・・。


ですから、過渡期的ではあっても

しばらく数十年は原子力に世界は依存せざるを得ないのが現実です。

だとしたら、世界一安全な原子力発電が必要であることは

言うまでもありません。

世界でもっとも安全に厳しい原子力発電の技術が確立できるのは?

それは今や日本しかないと私は思います。

万が一アクシデントが起こった場合に、

シビアな状況になる前にどういう形で食い止められるのか、

事故を教訓にして技術を確立していくことが

世界からの要請であり、貢献だと思うのです。


正しい方向で悲劇を教訓に変えていけるよう、私は期待したいです。