こんにちは
3連休、いかがお過ごしですか?
いきなり涼しくなって過ごしやすくりましたね
今朝は窓を全開にして、大掃除しました
さて、今注目の小水力発電はどんなものなのか、
長野県伊那市にある三峰川発電所に行ってきたので、
その様子をご紹介します
(あ、ヘルメット曲がってます)
この三峰川電力株式会社は、
電力会社ではなく、商社である丸紅が行っている事業なんです。
水力発電は日本の発電の黎明期を支えた発電で、
実はこうした山間に工場のある会社や温泉、あるいは地域は、
自家発電として、地元の川を利用した小水力発電を持っていたんですね。
それが、だんだんダムを使った大規模な水力発電になり、
火力になり、原子力になり・・・・
その後電力会社から安定した電力が供給されるようになったので、
結果として必要なくなって解体したり、
あるいは休眠状態になってしまったんです。
この三峰川発電所も、もともとは昭和電工の持ち物でしたが、
H12年に丸紅が引き取る形で発電事業が継続され、
まさに地産地消型の電力として、地域とともに存在してきました。
現在この三峰川の本流、支流を使って4つの発電所が稼働しています。
ダムは一切ありません。
川から水を引っ張って、山の落差で発電し、
発電に使った水は、汚れもせず、減ることもなく、
下を流れる川に流れていきます。
ですから、
自然の川の流れをちょいとお借りして、
電気を作らせてもらう
というシステムですね
ちなみに、第一発電所ひとつで、年間1億kwh、
つまり3万世帯分の電力を発電しています。
小さな町1つくらいはいけるということですね
このタンク状の中に水車が入っていて、発電をしています
これが水車。
かなり勢いよくぐるぐる回ってました
計器なども、最初に作られた昭和39年当時のものを
そのまま使っています。
そして、小水力発電がすごいのは、
落差さえあれば、ひとつの川でいくつも発電ができてしまうこと
H21年にできたこちらの第4発電所は、
上の第一発電所で使用した水を、そのまま川に流さずに一部取水して、
650m下流まで水管でひっぱり、
その10メートルくらいの落差を利用してさらに発電しています。
中には同じ発電機が6基並んでいて、
水量に合わせて調整できるようになっています。
ちなみにこれで、年間300万kwh、約1000世帯分追加で
まかなえるようになりました。
という具合に、ひとつの川で追加したり、
使用水をさらに発電に有効利用したり・・・
そして、水は減らずに自然に帰ってゆくのが
魅力的ですね
もうひとつ。
こちらは今年6月に蓼科高原にできた蓼科発電所。
ん?物置小屋
と思うくらい、ちっちゃくて山の風景にも溶け込んでます
中の発電機はこんなかんじ。
小さいでしょ?
ここはもともと温泉地の自家発電施設でした。
だから、今も「小斉の湯」という温泉宿の敷地の中を
水管が走っています。
もう使わないからスクラップにする、という話を偶然聞いた丸紅が、
引き取って発電事業を行うことにしたそうです。
もともとどんな川の水をとっているのか
取水口まで登ってみました。
こちら。
きれいな山のせせらぎです
ここから水を分岐して、発電用水路に流し込みます。
驚いたのは
台風翌日だったにもかかわらず、この水がめちゃめちゃキレイだったこと。
実は、ここは湧水がいたるところから出ていて
川は湧水の集積なんですね。
だからこんなにきれいなんだそうです。
実は発電するにあたってキレイなことは大きなポイントなんですって
土砂などの異物があると、水車が傷んでしまいますから。
もちろん手前でゴミなどは取るのですが、
もともときれいならそれに越したことはありません
「こうして多様な植物のある自然のおかげで、
山の中にはきれいな水の天然プールができ、
そのわき水で発電させてもらっているのだから、
ホントにこの森は大切なんですよ~」
と、所長さんがおっしゃっていたのが印象的でした。
最近、本当に自然の森の偉大さを感じることが多いです
とてもキレイなので、
すぐ下にはイワナの釣り場があり、
そのあとは農業用水として活躍しているんですよ
こちらの発電所では、年間211万kwh,
約600世帯の電力をまかなっています
いかがでしょうか?
こうした流れの急な川なら、日本にはいたるところにあります。
自然を破壊することなく、水は何度も発電に使えたり、
他の用途にも使えます。
一つ一つの発電所の発電量は大きくはないけれど、
今後、再生可能エネルギーの割合を増やし、電力の地産地消を考えるのであれば、
大きな可能性を秘めていると思います。
では、採算は?
地域にとってメリットは?
課題は?
今日はこれから出掛けなくてはならないので
次回に続きます・・・。