東京は今日も暑かったですね晴れ

9月だというのに、30度を超えるって・・・ガーン

買い物で外へ出たら、もう疲れてしまいました叫び


そして台風15号が北上し始めましたね台風

しばらく不思議な動きをしていましたが、

予想では日本列島を縦断しそうなので

今週は気をつけたいですね汗



さて、台風というと川の氾濫、土砂崩れが心配されますが、

実は河川の新しい、画期的な護岸工事を開発し、

全国に進めようとしている会社があります。


山口県にある株式会社吉工園(きっこうえん)  という、

もともとは造園業を営んできた会社です。


植物の根がきっちりと張り巡らされている土壌は崩れない・・・

この自然の現象をヒントに

「ブランチブロック工法」という画期的な護岸工事の手法を編み出しました。



これが「ブランチブロック」

その名の通り、枝のような形状です。
伊藤聡子 オフィシャルブログ 「Be active! Be graceful!」 Powered by Ameba
             (吉工園ホームページより)


これを、天然石と組み合わせて

このように工事します。

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この工事の特徴はいくつかあります。


ひとつは、コンクリートの基礎工事がいらないので

短い工事期間で完成すること。


そして、見てわかるとおり、石と石の間に隙間があるので、

そこが小動物、魚のすみかとなり、自然と植物が芽を出し、


さらにその根が絡み合って、時とともに

より一層きっちりした護岸に仕上がっていくのだそうです。


施工6年後はこんな感じにビックリマーク


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どうですか!?

もっと時間が経ったら、護岸も隠れて

ほとんど自然と変わらない状況になりそうです音譜


これまでの工法だと、自然をコンクリートでシャットアウトしてしまい、

植物の根のように、自然がそのままでもつ強さまで

全部遮断してしまっていたんですね。

もちろん、生物は住めない環境になってしまいますしょぼん


でもこの工法なら、自然の力も借りて、

強く、そして動植物にもやさしい環境を保てるのですラブラブ



でも、大きさの違う隙間のできる石積みは、

見ていると確かに不安定そうで、

コンクリートの方が完璧のような気がしますよね?


でも、石は互いに力をかけ合うことで

絶妙なバランスを保って強固になるんだそうですチョキ


そういえば・・・

ペルーに行ったときに

インカ文明時代からの石垣は、いまだに隙間があくことなく

きっちり残っていたことに驚きましたショック!

インカ帝国はのちにスペインに征服されて

石垣の上にはコンクリートとレンガ造りの建物が建てられたのですが、

地震の度にそれらは何度も崩れてきたのに対し、

石垣だけはびくともしないのだと説明されました。


昨日紹介した伊達正宗の青葉城にも通じるものがありますね。



それから、

山自体が崩れるというのも原因があって、

例えば杉のように単一の種類を隙間なく植えてあって

日が入らない山は、危険なんだそうですね。

自然の山は、針葉樹、広葉樹、高い木、低い木、さまざまあって、

根の張り方もそれぞれ全然違うそうなんです。

すると、地下の世界では縦横斜め・・・複雑に根っこが絡み合い、

ちょっとやそっとでは崩れない地盤になるのです。

そして、この「根」が健全に育つためには

太陽の光が入ることが重要なんですね。



このように山の環境を自然に近づけていけば、

安全が手に入ると同時に、

山は栄養たっぷりになり、様々な動植物の住みかとなり、

その栄養が川に流れだして、今度は海に栄養を届けて

海産物にも恵まれる・・。

実際にこの発想で牡蠣の養殖のために山を元気にしようと

取り組む宮城の畠山重篤さんのような方もいますから音譜

(「山は海の恋人」の著書でも有名です)


すごい!一石二鳥にも三鳥にもなるんですね。



ということで、自然と対立して抑え込もうとする発想ではなく、

自然と調和し、自然の力を借りる発想での防災は、

これからのキーワードのなるような気がしますニコニコ



今週の週刊鉄学では、

吉工園の社長、吉村隆顯さんをゲストにお迎えしています。

是非ご覧になってください!