菅首相の浜岡原子力発電所の停止要請を


中部電力は今日にも受け入れる方向のようですね。


東南海沖地震が起きる確率が87%、


堤防を作るのに2年はかかるので、その間に何かあったら大変なことになる


ということでの「政治判断」のようです。


確かに、


今の状況では、大きな地震が起きる可能性は非常に高いと思うので、


このような判断がなされることは仕方ないことだと思います。


ただ、同時にこの判断は


原子力発電所と生活が密接に関わっていた御前崎市民だけでなく、


日本という国、私たちの生活に


とても大きな影響を与えることにもなりそうなので、


いろんなことを覚悟して、真剣に考えなくてはいけないのではないかと


思っています。



まず、管首相は停止要請は浜岡原発だけ、と言っていますが


浜岡原発だけが危険だと言えるのでしょうか?


他の原子力発電所の立地地域も


もしかしたら今度はウチの方に地震や津波がくるかもしれないと


感じているかもしれません。


東南海地震だけがかなり以前から指摘されているだけで、


他の地震は予測できていないだけですから。


つまり、地震や津波の危険性という点では


日本で海に面している限り、どこも同じなのではないでしょうか?


3月11日の地震後、国は全国の原子力発電所に緊急安全対策を指示し、


各発電所は対策を講じて国に報告し、すでに了解を得ていました。


具体的には、福島の事故の大きな原因は、津波によって非常用電源が失われ、


冷却機能が損なわれたことによるものだったので、


非常用電源を高台に置くなど、冷却機能確保のための対策をしたわけです。


しかし、浜岡だけが了解後に突然停止要請になったら、


「それなら、ウチの方の原発だって安全じゃないんじゃないの?」と、


停止への動きが出てくることになることになっても


何ら不思議はありません。



となると、


どこにいても電力不足に陥る可能性が高いということです。


また、火力発電で補うと、電気料金は当然上がることになります。

家庭はもちろん、産業に与える影響はかなり大きく、


会社によっては経営を圧迫する事態も考えられるでしょう。


そして、鳩山前総理が世界に向けて宣言した


CO2の30%削減は、もちろんナシになります。




そもそも何故こんなに地震大国なのに原子力発電に頼っているかといえば、


ひとえに、日本が、「資源のない経済大国」だからです。


少ない資源で大量のエネルギーを生み出し


そのエネルギーを使って優れた製品を生産し、世界へ送り出す。


そして、資源戦争に巻き込まれないための安全保障として、


できる限りエネルギーの自立を目指す。


そのためには原子力発電と燃料のリサイクルは日本にとって必要不可欠。


それが、日本のエネルギー政策だったのです。


その中で、私たちも電気を使って便利な生活を送り、会社からお給料をもらい、


その恩恵を受けてきました。


そこは間違いのない事実です。


私自身ずっと、他国の情勢で右往左往しないように、


食料、エネルギーは、国としてなるべく自給率を高めておくことが


非常に重要だと思ってきましたし、今後もそこは変わりません。




こういう状況ですから、


自然エネルギーや次世代エネルギーの開発、大容量蓄電池の開発などが急務で、


あらゆる可能性を模索すべきだとも思います。


こういうピンチだからこそ生み出される技術もきっとあるはずで、


長い目で見ればそれが世界への大きな貢献につながることも期待したいところです。


ただ、残念ながら、技術、発電量、安定性、コスト・・・


今すぐ原子力発電の代替にはなりません。


悲観的に考えたくありませんが、


今までのようにはいかないことは確かだと思います。


本当に一人一人の生活、人生に大きく関わることなので、


どんな国、ライフスタイルを選択するのか、どこまで覚悟できるのか、


じっくり自分自身にも問いかけたいと思います。