■誰一人取り残さない公正で個別最適化された学びの実現を目指して。
市長は施政方針演説の「子育てするなら富田林を一層推進」における教育の部分で、「誰一人取り残さない、公正で個別最適化された学びの実現を目指してまいります」と強く述べられました。
また、「端末と併せて必要とする家庭にはWi-Fiルーターの貸し出しを行い、家庭におけるICTを活用した学習支援を進める」旨も述べられました。
あとは端末を持ち帰って使用するためのルールづくりを速やかに行うことと、学習用ソフトをどうするかということになってくるかと思います。
私は、一刻も早く個別最適化された学びの提供を行うため、eラーニングのシステムを導入することを提案いたします。
eラーニングのシステムを導入すれば、場所や時間を選ばず、子どもたちの自主性を尊重しながら、学び直しや先取り学習にも自由に取り組んでもらえるほか、学習履歴を容易に管理し、教職員間等で共有できることから、学校における指導も、より一人ひとりの児童・生徒に合わせたものにできます。あるいは、家庭学習の時間を活用することで学校の授業におけるインプットにかかる時間を短縮し、主体的・対話的で、深い学びや、教え合い・学び合い等、皆が集まることによって取り組める学習活動に割くことができる時間をより多く確保することができます。
また、タブレット端末を原則として持ち帰って利用してもらうことも提案いたします。
例外的に持ち帰れる日をつくるのではなく、日常的に持ち帰って利用してもらうことで、より高い学習効果を見込めると考えます。
以上について執行部の見解をお示しください。
[執行部答弁]教育指導室長
GIGAスクール構想では、議員ご提案のようにICTを活用し、子どもたちの学習履歴を管理したり教職員で共有したりすることで、子ども一人ひとりに応じた指導を行っていくことが重要であると認識しております。
また、eラーニングのシステムにつきましては、それぞれの子どもに応じて基礎的・基本的な内容を学び直したり、先取り学習に取り組んだりできることに加え、学習履歴の蓄積や共有が容易になることから、有効なツールの一つであると認識しております。現在、本市におきましては、学校だけではなく、家庭からも利用できる全教科に対応したデジタルドリルを導入しておりますことから、まずは、このドリルの積極的な活用に向けて取り組んでまいりたいと考えております。その上で、今後の方向性につきましては、デジタルドリルの活用状況やドリル自体の機能や内容の充実等も見据え、研究に取り組んでまいります。
次に、議員ご提案のタブレット端末の持ち帰りについてお答えいたします。
誰一人取り残さない、公正で個別最適化された学びの実現には、まずは、子どもたちの苦手を積み残さないことや、子どもたちの興味・関心に応じて、自分に合った学びに取り組めることが大切であります。また、家庭における学習状況を学習履歴として活用し、学校での学びにつなげることも重要でありますことから、タブレット端末の持ち帰り、活用することが有効であると認識しております。
以上のことから、本市教育委員会といたしましては、来年度当初より、持ち帰りのルールや活用方法について検証を行った後、夏期休業までには試行実施を行い、一人ひとりが家庭においてタブレット端末を日常的に活用できるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
[いとう寛光の発言]意見・要望
eラーニングのシステムにつきましては、有効なツールの一つであるとのご認識はいただいているとのこと、また、まずはデジタルドリルの積極的な活用に取り組んでいくということですので、それはそれで進めていただきたいと思います。
ただ、不登校の期間が長期に渡っている児童・生徒、あるいは学校の勉強に全くついていけていない児童・生徒にとっては、現状のデジタルドリルの活用もままならないケースもあるかと思います。
全員に対しては難しいかもしれませんが、せめて学習に大きな課題を抱えている児童・生徒のフォロー等への活用も視野に、研究、検討を進めていただければと思います。
また、タブレット端末の持ち帰りについては、夏期休業までには試行実施をできるよう準備を進めるとのご答弁でした。
いろいろと考えなければならない課題も多いかとは思いますが、近隣では既に持ち帰って利用している自治体もございます。本市教育委員会におきましても、速やかに実現していただきますように改めて要望いたします。期待しております。
GIGAスクール構想関連の諸課題につきましては、以前も代表質問等で取り上げましたが、引き続き注視し、議論を深めていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。