☆*遠くにありて《その②》**☆

 
 必死で拾いあげ 
 心の中に残したもの。
 ひとこまひとこまが
 いまも生きている。

 楽しかったあの日
 あまり上手に隠れすぎ、
 気がついたら一人暮らし
 のおばあちゃんの出窓
 の下。 いきなり
 あ! みっけと言われて 
 つい降参して
 おばあちゃんの前に、
 すごく喜んで大きな声で
 笑うので それでみんな
 も気づいて集まって来た。
 おばあちゃんは奥に行くと
 仏さんから袋菓子を持って
『はい、カンカンさんだよ。』
 と言ってわたしに渡して
 くれた。
 その後みんなで分けて
 食べた。
 今は家屋のつくりも
 すっかりかわりあの日の
 優しいぬくもりはもう少 
 しもないのです。

 いま思い返しても寂しさ
 だけが🈳を舞い 
 静まりかえった部屋で
 時間の過ぎて行くのを
 じっと待った。

 ♡いつも夢見ていた
 大きな1本の木。
 やさしさだけが
 いつまでも残るその木は
 たくさんの想いでと
 共にある。

 母の生家で見た
 バタンキョウの木
 母の生まれた家は
 バスで行ける静かな
 漁村で、子どもの
 わたしには村全体が
 パズルの様で
 楽しい所でした。

 遊んでいると必ず実の
 なる木があってその
 なかでもぴか一は
 垣根越しに見た
 バタンキョウの木。 

 欲しくてわざとその家
 の前を行ったり来たり 
 これ以上ない愛嬌を振り
 まいてポケットいっぱい! 
 美味しかった。
 畑の細い道みんなで並んで
 歩きながらた食べたっけ。
 楽しかった。

 たくさんの思い出尽き
 ないよ。
 みんなありがとう。
 今度は土手に腰掛けて
 話そう。約束してね。 


 ☆**ー後記ー**☆
この 頃の私はいちばん
楽しかったのかもしれない。
父も母もとても輝いていた。
そこにはいつも父のあとを
追う私がいた。
決して甘えさせてはくれない
厳格な父がいた。
そしていましみじみと思う。
大病の喘息、あげくの果てに
親からは使いものにならない
と見捨てられ、ずーっと暗い
一室で何故頑張る事が出来
たのだろ。🤔

 ☆…🍀🤗🍬🍓🌼…☆その2