(続き!)
「涼宮さん・・・ああ言ってたけど大丈夫かな・・・」
(ガチャ)
「・・・・・」
「あ、もしかして入部希望の方ですか!?」
「涼宮ハルヒに言われてここへ来た。」
「そうだったんですか! じゃあ、涼宮さんは?」
「やがて来る。」
「分かりました!」
「長門有希。」
「え? もしかしてあなたのお名前・・・?」
「そう。」
「あ、私は中野梓です。よろしくお願いします。」
「・・・・・」
「えっと・・・お茶でも飲みます?」
「お待たせ! 長門さんはもう来てるわよね?」
「あ、はい! ここに。」
「ちょっとキョン! いい加減あんたも入ってきなさい!」
(キョン・・・?)
「だから・・・オレはまだ入部するとは一言も・・・」
「つべこべ言わないの! あんたどうせヒマでしょ? このままだとニートになってしまうわよ!?」
「ニート!? そんな大げさな。」
「あ、あの・・・?」
「あ、紹介が遅れたわね。このポニテはキョン!」
「え~と・・・キョンさん・・・というお名前なんですか?」
「ああ、まぁそういう事で・・・」
「無理やり連れてこられたみたいですけど・・・」
「まぁ、何と言うかさっきはああ言ってましたけど、どうせ暇ですし事情は聞きましたし・・・
人数だけなら貸してあげても・・・」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
「というかオレはいいとして、涼宮・・・あの娘もお前が連れてきたんだろ? 何者だありゃ?」
「長門有希。」
「長門さんはね、文芸部にいたの。」
「はぁ? じゃあ、文芸部員じゃないのか!?」
「そうなんだけど、文芸部も誰かが入部しないと廃部になっていたクラブだったのよ。」
「だからって、無理やり軽音部に引きこまんでも・・・。」
「そりゃあ、あたしだって、軽音部に入りませんか? って聞いたわ。そしたら構わないって。」
「本当かそりゃ?」
「本さえ読めればいいらしいわ。変わっているといえば変わってるわね・・・。」
(はい、それお前が言わない!)
「長門さんとやら、本当にいいのか?」
「いい」
「ものすごく迷惑な話だと思うが・・・。」
「別に」
「文芸部が無くなってしまうんだぞ?」
「どうぞ」
「ちなみに楽器の経験は?」
「・・・・・」
「無さそうですね。でも私が教えますから大丈夫です。」
「そうは言っても・・・先輩一人で全員を教えるのは大変だと思うが・・・。」
「何言ってんのキョン! あたしだって、ギターやキーボードくらいなら弾けるわ!」
「え、そうなんですか!?」
「ああ、こいつはこの学校のあらゆるクラブに仮入部していたくらいなので、その位は。」
「え? じゃあ、軽音部も仮入部に?」
「最初はそのつもりだったけど今は違うわ! 軽音部には、仮じゃなくてちゃんと入部するし!
手始めに長門さんにギターを教えようかしら? 中野さんギター貸して!」
「あ、はい!」
「えっと、最初は・・・。」
「はぁ・・・なんだか涼宮さんって凄い人ですね。」
「ま、あいつはあいつなりに楽しんでるんじゃないですかね?」
「だと良いんですけど・・・あ! 私もキョンさんにギターを・・・
あ!むったんは涼宮さんに貸したままでした!」
「むったん?」
「あ、いえ! こっちの話です! でもこれで・・・。」
(ジャジャジャジャジャッジャ! ジャジャジャ。ジャジャジャジャーン。)
「え? これってもしかして、ふわふわ?」
「凄いじゃない長門さん! どうして譜面見ただけで完璧に弾けるの?
どこかでギター習ってたとか!?」
「何だか涼宮以上の逸材がいたようだな・・・」
「みたいです・・・。」
「えっと・・・とりあえず、これで部員の数はそろったのかしら?」
「そうですね。あとは担当の楽器を決めて・・・。」
「あ、中野さん! あともう一人だけ、どうしても入れたい娘がいるんだけど、いいかしら?」
「はい! 人数は多ければ多いほど演奏のバリエーションも増えると思いますし!
ちなみにその人は、何の楽器が弾けますか?」
「楽器が弾けるかどうかは分からないけど・・・でも、見たら分かると思うわ!」
「分かりました! 今日はもう遅いですし、これで解散にしましょう!」
(こうして軽音部にキョンと長門が入部したのだった。ちなみに桜高は女子高なので、キョン子です)