前々回で同じタイトルで記載しましたが、もう1つ気づいたことがあります。
私は長らくいろいろなシステムのシステムエンジニアはしていますが、会計システムの現場は関係したことはないのでその点は踏まえてご理解ください。

とはいっても、Webアプリ、サーバー構築、ネットワーク構築、コンソールアプリ、GUIアプリ、DB構築といろいろな経験は踏んでいます。

【軽減税率導入は7か月で出来たという論理矛盾】

1つ思い出してほしいのですが、今の税制である消費税10%と8%軽減税率の導入はどのくらいで出来たでしょうか?

・消費税10%が決まったのは2016年3月に閣議決定され、2019年10月開始となった
・8%軽減税率が決まったのは2019年3月

なんと、8%の軽減税率は、7か月で実現できたのです!
システム的に8%と10%の2つを運用するのは、とても大変です。それを7か月で出来たのに、たった1つの方法である消費税0%もしくは廃止、停止は1年かかるのは、かなりの論理矛盾を生みます。
その理由について書きます。

【システム的に消費税が2パターンある苦労】

消費税が2種類あると大変なのです。まして、店内で食べると10%で持ち帰りは8%とかふざけた仕様は勘弁してほしいのですが、まずは基本である消費税2パターンの苦労を書きます。

一般的なシステム構築においては、データベースという商品のカテゴリーや商品自体を管理するシートが個別に存在します。
わかりやすく言うと、エクセルです。データベースはエクセルの超多機能すごい版とイメージしてください。便宜的に、xxエクセルとしましょう。
商品エクセルがあって、そこには、えんぴつ、ピーマン、りんご、くちべになど商品名が記載されています。
消費税が1パターンだった時は、商品エクセルの各商品の横に8%とか5%と記載しておけばよかったのです。
システムによってはそんなこともせずに、5%の時は商品が売れたら全体に5%、あるいは商品ごとに5%を掛けるみたいなざっぱにしていたかもしれません。

ところが、消費税2パターンの場合はそうは行きません。

あらたに、消費税エクセル(消費税テーブル)を用意する必要があります。
消費税エクセルは、消費税の税率が記載されています。
感の良い人はわかるかもですが、「商品エクセルの中で、各商品にそのまま消費税を書いてあげれば?楽じゃない?」と思うかもしれません。
システムの保守性や管理性を重視するなら、消費税と商品は別々に管理します。
例えば、商品エクセルの中の各商品に消費税を記載してしまうと、消費税額が変わるときに、商品エクセル自体を編集しなければなりません。もし、編集自体をミスった場合、商品自体に影響が及び業務上、大変なことになりかねません。
一方、消費税エクセルとして分けておけば、消費税の変更や増減に対して、消費税エクセルだけを編集すれば済む可能性が出てきます。仮に人的ミスしても影響は消費税だけですみます。
このようにシステム構築では、人的ミスも最初から考慮して、被害を最小限に抑えるように構築します。

次の段階として、8%と10%を共存させるには、いくつか方法がありますが、一番シンプルには商品エクセルの各商品に税率フラグ(税率の印)をつけてあげます。この税率フラグがAなら8%、Bなら10%です。
「Aとかしないで8%にすれば?まわりくどい」と思うかもですが、ミスした時の被害最小限度作戦です。

と、これで消費税2パターン導入は完了になります。
消費税1パターンから比べると、2パターンは、
・消費税自体を別に管理するデータベース(エクセル)が必要になる
・各商品に消費税フラグを新たに作る必要がある
と、システム的には少々面倒な作業になります。

【軽減税率の面倒さ】

さらに厄介なのは、軽減税率のルール。
店内飲食なら10%だが、テイクアウトは8%とか面倒です。
私も現場を見たわけではありませんが、恐らくこうするだろうという予想で書きますが、システム的にテイクアウトと店内の区分けをどうするか?は、2つの商品を作ってしまうほうが楽だと思います。
モスバーガーで例えると、
・モスバーガーのレジ上では、モスバーガー(店内)とモスバーガー(テイクアウト)と2つの商品が存在してて、お客様に最初に聞いてそれでテイクアウトと店内飲食を振り分けする。
です。もしくは、面倒なので全部税率8%にしてるかもしれませんね。
このあたりは、事業所さんによって変わるかもです。

仮に店内用とテイクアウト用の商品を用意するとなると、こういったお店は商品を2つシステムに登録しなければなりません。面倒ですね。

【今の税制の導入面倒さ】

2019年3月の軽減税率導入にあたり、2019年の10月までにやったことを、まとめると、
・消費税専用エクセル(データベース)を用意する
・各商品に消費税フラグを追加する
・店内飲食とテイクアウトの商品を分けるもしくは、全部8%にするかどうか経営判断をする
・これらをレジに導入する
です。
これらを7か月で出来たのに、ゼロや廃止に1年は論理矛盾しますよね?