先日、ECのコンサルティングの中で、店舗・卸・ECの違いは何ですか?と質問もらいましたので、書きます。
一番の違いは、売上化されるスピードです。

【売上化(回収)スピード】

・店舗:当月
 お店を出せば、即日~当月にはお金を回収できます。逆に店舗を出して、回収スピードがこれより遅いと問題ですので、経営方法などいろいろ見直しが必要でしょう。

・卸:翌月~3カ月後
 卸、BtoBはだいたい支払いスパーンが末締め翌月払いが多いので、最短でも翌月。契約云々していると、3か月後が当たり前ですね。

・EC:半年~1年
 ECの場合は、最短でも半年です。なぜなら施策を打って効果が出るのは早くて3カ月後、普通は半年後です。しかも最初の回収金額も小さいですね。

ここまで見ると、ECは不都合多そうですが、別の切り口から見てみます。

【投資額】

・店舗:200万以上
 規模によって金額変わりますが、どんな小さくても最低200~300万はかかるでしょう。

・卸:1000万~億
 一番投資額がかかります。1000万はほんと最低の最低だと思います。通常なら億単位です。物流ですので、倉庫、配送トラックが最低掛かりますし、食品ならHAAPや衛生管理関係のお金がかかります

・EC:0円~150万
 ECサイトの準備は、自身で行えばゼロ円です、ただし時間コストがかかるのと、プロでは無ければ売れるのはレアケースです。150万クラスは自社でECサイトをフルフル武装で立ち上げた時の金額。それでも150万で済むのですから、店舗や卸よりはるかに安いと言えます。

【運転資金、人件費】

・店舗:中
 店舗さんは自分以外に、最低2~3名は必要です。運転資金としても電気光熱費がそれなりにかかりますね。もちろん、店舗料もかかります。

・卸:大
 こちらはマンパワーがかなり必要なので、配送スタッフ、在庫管理、経理、などいろいろ。さらには、設備維持の電気光熱費は100万/月は、当たり前です。

・EC:小、限りなく低
 ECのメリットはここですね。やり方次第で倉庫不要(ウチがそうですが)、人手も自分だけで可能です。
ECだけのビジネスで5名雇用したら相当すごいです。かなりの物流があります。店舗も最初は自宅で可能です。ネット環境あればよいだけになります。

【売り上げ規模とマーケット規模】

・店舗:小~中
 店舗の場合は、地場の影響を非常に受けます。一番わかりやすいのは、私が住む宮古島。
年間来島者数は60~70万人ですので、店舗展開しても最大マーケットの母数は70万で、これを超える集客はありえません。陸続きの東京や大阪であれば、1000万などになりますが、当然ライバル店が多いので、1000万をライバル店で割ることになります。

・卸:大
 BtoBで、うまくいけば全国の企業さんがターゲットになります。

・EC:まちまち
 基本、全国ないし世界です。ここが魅力でしょう。その中において、自社に合ったターゲットになるので、もしかしたら小かもしれませんし、大かもしれません。売り上げ規模も小~極大で、極大の例はAmazonです。

こんな感じで、どの方法がよいのかはありません。どれも一長一短で、重要なのは勘違いしないことだと思います。よく誤った経営者の方は、「EC始めたけど、3カ月たつけど何も売れない。ECって儲からないんだね」とか、「店舗では1000万売れたけど、一か月ではECは売れない」とか、誤った判断される方多いです。
上記の点を理解していないとビジネスチャンスを逃すでしょうし、誤った経営判断をしてムダな投資をすると思いますので、気を付けたいところですね。