最近カリカリ梅をよく食べる


仕事中

特に尾行中には物は食べないようにしていたのに

今日、無意識のうちに食べていた。

以後気をつけなければ。


それはそうと

昨日事務所の大掃除をしていて思ったのは

部屋は心を映し出す

である。

部屋が片付いただけで

やたら皆やる気に満ちていた。

以後気をつけなければ。

最近

探偵業者に騙され、多額の依頼料をだまし取られる

という話をよく耳にする。


これは別に

今に始まったことではなくて、悪徳探偵は僕のおじいちゃんの世代から

存在していた。


ただ

最近あまりにも多くこういった話を聞くので

悪徳探偵と

まっとうな探偵を見分けるポイントについて少し書こうと思う。


まず悪徳探偵に共通していえることは

明確な調査料金の目安を明記していないこと。(伝えず)

また、明記していたとしても、

調査料金を構成する項目が多岐にわたっていると要注意

たとえば着手金、基本料、車両費、情報探査料等6項目以上あると危険で

よくわからない項目についてやたらと請求されたりする。

HPなどに責任者の名前を明記していないというのも傾向のひとつ。


悪徳探偵の中には、オレオレ詐欺まがいのことをやっている輩もいて

ある人物に依頼を受けたと言って調査対象に近づき

不利な情報をばらされたくなければ調整料を払えと脅迫したりしているらしいので

皆さんも気を付けてくださいまし。




探偵業は恨みを買うことが多々ある。


昔、深刻なストーカー被害に悩む依頼人からの

ストーカー撃退依頼を遂行した際

加害者から逆恨みされ、危うく命を落としそうにことがあった。


ストーカー行為の詳しい被害内容については

探偵として守秘義務があるので

詳しく書くことはできないが

簡単に書けば

加害者と被害者は社会的に上下関係にある立場であり

そのストーキングの様態は非常に陰湿かつ執拗なもので、

被害者の悩みと精神状態は相当に深刻な状況にまで

追い込まれていた。



依頼を受けてすぐに私は

法的に証拠能力を持つ証拠をある程度集め

探偵と名乗ったうえで加害者に直接対面し

ストーカー行為をやめるよう、やめなければ法的措置も辞さない

と詰め寄り、加害者の辞職及び今後一切近づかないという旨の念書を取った。



それからしばらくして加害者は辞職し、被害者にも一切近づかなくなった。



一か月たち、二か月たち、加害者からの被害者へのアプローチは完全に途絶えたものと思われた。



そして四か月たったある日、事件は起きた。

離婚するのに証拠取りをしてほしいという依頼をメールで受けて

依頼人と会うため、待ち合わせの繁華街の喫茶店へ向かった。


だが、待てども待てども依頼人は現れなかった。

教えてもらった電話番号も繋がらず

1時間ぴったり待った後に僕は喫茶店を出て

その日は夜も近かったためそのまま自宅マンションへ向かった




まさか探偵の自分が尾行されているとは考えもしなかった。



当時オートロックのないマンションに住んでいた私は

一階にある部屋へスタスタとはいって行った。



まったく気付かなかった。



ドアを開けた瞬間、後ろから思いっきり押された。

倒れた瞬間、事態を飲み込み、両手で床を押し上げ

台所にダッシュし、出しっぱなしの包丁をつかんで後ろを振り向いた。

2M先くらいまで追いかけてきていた。

半分あいた玄関から差し込む街頭の光に後ろから照らされ

男のシルエットははっきりと浮かび上がっていた。

手には警棒のようなもの、体格はどうみても男、ニットをかぶっている。

向き合ったのはたぶんほんの2,3秒くらいだったと思うが

男は体の向きをかえ、玄関に向かってダッシュし、半開きのドアを

体当たりで開けてそのまま外の廊下へ飛び出した。


すぐに男を追いかけた。

階段を使って逃げようとした男が、踊り場でコケたところで

男を捕まえた。



あの加害者の男だった。

タイミングよく通りかかったマンションの住民に通報してもらい

男を警察に引き渡した。



取り押さえて警察に引き渡すまで

男は僕から目をそらさず、ずっと

「お前のせいだ、責任とれ、お前のせいだ、お前も破滅しろ」

といっていた・・。


警察に引き渡さる段階になると

男はうなだれておとなしくなった。

四か月前から比べるとずいぶんと痩せて焦燥していた。


ドラマのような体験に

僕自身動揺していたが

なにかとても悪いことをした気分になり

探偵をやめたくなった。







あれから8年

今も元気で探偵をやって

時にはストーカー撃退も引き受けている。


当時の被害者とは、ちょっとした縁で今でもたまに

顔を合わすことがある。


幸せそうに家庭の話を

するところを見ると、あの時やめなくてよかったと思う。









調査だけが探偵の仕事ではない。



依頼人の中には、何を調査してほしいのかを

依頼人自身できちっと整理できていないことが多々ある。


状況をしっかり聞いて整理し、何を調査すればよいのか

はっきりとしてあげるのも探偵の重要な仕事です。


探偵が調査をすることで得られるものは真実(客観的事実)と

それを法的に立証する証拠です。



探偵は真実と証拠を依頼人に伝えます。



真実に直面した依頼人はここで判断をしなければなりません。

どういった行動をとれば一番幸せになれるのか

それが自分だけの幸せにとどまらない場合、特に

お子さんがいる場合の配偶者の浮気・不倫などの場合には

どちらにしても、つらい、責任のある判断をしなければなりません。


探偵が、法的なことも含めて依頼人の人生相談にのることは

珍しいことではありません。

僕も例外ではなく、様々な相談に乗ってきました。


その中には、若造の僕には判断すらままならない複雑で重い内容の

相談もありました。

そんな時は、できるだけ法的なアドバイスをするように心がけます。


法的に有利である事は大切な事です。

何か依頼人に心変わりや人間関係に変化があったとき

身を助けてくれるのは法的な状況です。

離婚問題だと、キチンと親権、そして慰謝料・養育費を取っておくだけで

多少の環境の変化があっても、経済的になんとか切り抜けられ

また明日に向かって生きていける土台ができます。


とまぁ、探偵としての経験をどれだけ積もうと

人間としてのまだまだ経験の足りない僕は

なるべく依頼人の将来に貢献できる仕事をするために

今日も人間修業を積んでいます。



今日、ウチの事務所のまだ修行中の若い探偵が

自分で調査をして得た結果を

依頼人に伝えたくないと言ってきた。






僕がまだ駆け出しの頃

(この道ウン十年のベテラン探偵さんに比べたら
             まだまだ駆け出しですが)

とある種類の依頼がとても苦手だった。



それは



妻帯者(夫帯者)でさらにお子さんのいらっしゃる方の

素行調査。



配偶者の素行調査を探偵に依頼するような場合

依頼人はかなり深い疑惑か、ある程度の確信を持っていて

配偶者がシロであるかクロであるかを知りたいというよりも

クロである証拠が欲しい

といった依頼趣旨であることが多々ある。



であるから、そのほとんどの調査結果は真っクロである。



探偵として依頼人に正確な調査結果を伝えるとき

その調査結果がもたらすことが頭をよぎる。



依頼人に小さな子供がいれば

その子供たちの顔が浮かぶ。



依頼人に、配偶者の不貞という現実に対する覚悟ができていたとしても

実際に離婚して子供を一人で育てる覚悟ができているとは限らない。



怒りと悔しさの中、依頼人は選択しなければならない。

覚悟を持って、子供と自分の未来に関する選択をしなければならない。


しかし


子供には選択をする権利がない。



何が正しいのか



自分が探偵としてやっていることは

誰のためになっているのだろうか。



そんな葛藤の日々を送っていた

駆け出しの頃。

伝えたくないと思った調査結果は

腐るほどある。




今日、自分で調査して得た結果を

依頼人に伝えたくないと言ってきた彼には

「必ず正確な調査結果を、依頼人にすべて報告しなさい」

と言った。



探偵にできることはそれしかない。