コロナ禍の中、すっかり忘れていた「紅葉狩り」で思ったこと

 

プロローグ

 3月来、にっくきコロナのためにあれもナシ,これもダメと

趣味にしている習い事や稽古も中止、その発表会もなく、飲み会もない・・・・が続き。空き時間がたくさんできて,他にいろいろなことができそうですが、旧い人間にとっては目標がないというのか、キラキラしたものがないせいか気が付いてみると、あーっという間に9か月が過ぎていました。

 

 これはいかん、何かせねばと、オンライン学習会を開いたり、自身でもオンラインで講習を受けたりとしたのですが・・・・・体験してわかったのですが、用件・用事を済ますだけなら(企業の会議もこれに相当しますが)バーチャルで事足りるのですが。

 例えば、続けていた「旧来の学習会」は、主目的の「学ぶ」だけでなく、「現地へ出かける(敬老パスを使うことでさえ)」「街の風景に浸る」「終了後の反省会と称する仲間との飲み会」などそれら一連のことがあって「楽しい学習会」になっているんですね。現状のバーチャル技術では、これらすべてを満たすことはできないので、モノ足りなさを感じます。技術がすすんで、人の機微も含めてより現実に近いものになるでしょうが、それでも結局「対面」という臨場感・人の心までバーチャルで表現するのはむつかしく、やはり元通りの世界にはならないと覚悟し、新様式の生活に対応することが必要なんだと思います。

 

紅葉狩りへ

 今年の桜のころから国内感染で大騒ぎを始めて、

為政者からは不要不急の外出禁止といわれ(といっても老人にとっての用事はどれも不要不急の事ばかり、不要不急でないのは食料の買い出し・葬式・医者通いぐらいのモノ)、それを守って外へ出ず、他人と会うことをあきらめ、巣籠するようになって早9か月。気づいたら紅葉の季節。

 11月20日、近くであるし、翌日から伊勢原(神奈川)大山もみじまつりの由、いまなら空いていて、ソーシャルディスタンスを気にしなくとも・・・と、車(電車はやばい?ので)で一人ノコノコと丹沢・大山寺へ紅葉狩りに出かけました。

 

本堂への途中ですが小堂とのマッチングが・・・

 

 午後から雨も予想される曇天の日だったこともあり、人は少なくマスク不要なほど人とすれ違うことも少なく、大山寺へ。

本堂へ上る階段下から

 

 毎年ここ大山の大山寺へ紅葉を見に来ていますが、スケールは有名観光地に劣るものの

折からヤバイ(便利な言葉)ほどの深紅の紅葉が境内いっぱいにあって、特に本堂へ上がっていく石階段にはもみじのトンネルできていてなかなかのモノです。

 

本堂を背に。ここに座って暫し瞑想にふけりました。

 

 その後、20分ほど登り、大山阿夫利神社下社へ(ここではやや人出がありましたが)。

 

大山阿夫利神社下社 本殿です

 

 

 

  神社から。向こうは相模湾です。

 

 「季節」というのは、コロナに振り回されることなくやっぱり同じように来て、ゆっくりと「秋」が流れ、「紅葉狩り」を堪能できました。

 

エピローグ  後期高齢者にとってのコロナ後の世界

 コロナ後の世界・社会がどうなるかメディアで多く語られています。

 人々の生活の豊かさを目指し、無駄を省く効率化を狙って、スマート社会・デジタル社会・AI・ロボット・バーチャル、等々老人にとってわけのわからない言葉が氾濫し、それをコロナ禍があと押し・加速し急速にデジタルトランスフォーメーションなるものが起こり、もう、元通りの社会の有様へ戻ることはない、と。

 あまり言われていませんが、そこには企業の「人」の削減が含まれていて、コロナ禍も相俟って「人」との接触を極端に減らす。無駄な(本当はむだではないですが)人どうしのやり取り・接触はできるだけなくすという思想が入っています。(寂しいかぎりです)

 

 そんな未来社会は我々後期高齢者にとってはどんな変容した社会になるんだろう。どんな行動様式が要求されるのだろう。

 新しい社会、デジタルトランスフォーメーションがどんどん進む社会では、それを理解しない、この社会を理解しない、受け入れない老人は置いてきぼりになり、便宜を受けられなくなるでしょう。

 

 実際、現状でも「デジタル機器(PCやスマートホーン)を扱えない人は損をしている場面が多くなってきています。(いろいろな手続きがPCなら簡単にできるのに、電話ではなかなかつながらないしあるいは直接出向かなけれならないことなど)

 技術が進歩すれば、言葉に発することでより可能になることもあるでしょうが、その時でも、デジタルトランスフォーメーション社会を理解しない老人は、フルにその性能・便宜に乗っかれないでしょう。

 デジタル社会を「理解するか、しないか」「受け入れるか、受け入れないか」、老人の間でも恩恵格差(とでもいうのでしょうか)が広がっていくでしょう。是正のため数年はその格差が広がらないように社会が補填してくれるかもしれませんが、粛々と確実に格差が広がり、満額メリットを受けられなくなるとおもいます。さらにこの国は弱者やマイナーにやさしくありません。

 一方、暗い話だけではなく・・・・老い先短く、このまま平穏にかつ年金生活のままスーッと終了すると思いきや、突然のとんでもない世界が現れそうで、このような世界を一生の間に少しでも垣間見、体験できるなんてワクワクしませんか、自分もどう対応しようかと。

 

  と、曇天の空から、絹糸のように落ち始めた雨の中、深紅の紅葉のアーケードを見上げながら本尊の不動明王を背に、石段に座って暫し考えたことでした。

 

大山の名物は大山とうふ。テイクアウトして厚揚げと一緒に熱燗で・・・・