米中対立は日本の政界にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
日本外交は「安全保障は日米安保体制」、「経済は米中二本柱」というスタンスを取ってきたが、台湾を巡って武力紛争に発展すれば旗色を鮮明にせざるを得ない。当事者である日本が態度を曖昧にすることをバイデン米大統領は許さないだろう。
そうなると、与党議員各自の立ち位置によって亀裂が生じることは不可避となる。大別すると次の3つのグループに分裂すると予想される。
<第1グループ> 安全保障も経済も米国の「純粋親米派」
<第2グループ> 安全保障は米国、経済は米中双方の「親米&親中派」
<第3グループ> 安全保障は中立、経済は中国重視の「ほぼ親中派」
すでに純粋親米派からは中国に近いグループに対して「媚中派」などといった批判が起きている。昨年春、習近平主席の国賓待遇での訪日を巡って訪日反対の声が沸き起こったのは記憶に新しい。それも無理はない。もし台湾戦争で日米合同軍が敗れれば彼らは要職から一掃されるからだ。
実際には、第2グループの「親米&親中派」が自公で多数派であろう。自民党の最大スポンサーである経団連や野党の多くもこのグループに属する。
確かに、経済力・軍事力で米国が優位にあった時代はこのグループが安定性・信頼性の両面で正しかった。だが、経済力・軍事力両面で逆転するなかで、その軸足がズレていく恐れが出てきた。
いわば安全保障は米中(または東アジア地域安全保障)、経済は米中双方の「安保中立&経済米中派」といった新機軸が必要になるかも知れない。親中派は歓迎するだろうが、純粋親米派の反発は強まるのは必至である。
第3グループの「ほぼ親中派」にとってはウエルカムだろう。二階幹事長や公明党がこのグループに属しており、自公連立政権の波乱要因になる可能性もある。
台湾有事は米中パワーバランスの逆転を早めるトリガーになるが、いずれにしても東アジアでは時間の経過とともに中国が優位になるわけで、従来の政党の“縦割り”から“横割り”へ、日本の政界再編に多大な影響を与えることになろう。



