忘れもしません。今でも記憶に鮮明に残っています。
あれは僕が高校2年の時の話です。
時間は夜10時くらい。地元の駅で電車を降り、僕は家までの道を歩いていました。
駅前を抜け細い道にはいります。民家はあるのですが、ほとんど電気もついていなく、田舎なので、道には人は一人もいません。
途中に神社があるのですが、なぜかその日はそこを通らなきゃならない気がしました。一応、うちまでの近道なので昼間はよく通っていました。
神社の近辺は完全に民家はなく、街灯もありません。
少し不気味だったのですが、神社の中へ入りました。
そのとき
「チャポン!」
…
…??
何かが水の中に落ちたような音がしました。
「バシャバシャ」
…
…??
神社のわきにあるため池の方からでした。
あの池…魚でもいたかな?
真っ暗な境内を、池の方に行ってみることにしました。
池はボロボロの柵で囲まれてるのですが、よく見ると人のようなもが柵につかまっていました。
え?
その人は微動だにせず、こっちを見ている。
ガリガリにやせた人で濃い緑色に見えた。
そう。
僕は間違いなくカッパをこの目で見たのです。
カッパは微動だにしなかったので、そのままにして帰りました。
翌日の昼間にもう一度その池に行ってみたのですが、カッパはまだいました。
ところでこのカッパ……いや、レインコート誰が忘れて行ったんだろうなぁ。