ある方のブログを読んでたら、現在の出版業は低迷ではなく没落と書かれていた。メディアは生まれてから発達のスピードに違いはあったが、前の時代には出来なかったことが出来るようになることを前に進むと表現するなら、前へ前へずっときた。現在は、長らく知識のポジションで選択されてきた本の没落が始まっている。この出来事はメディアの歴史から見ればもとに戻ることはない。

 

自分も、中型漢和辞典の新版は出ないと2010年頃からネットで集めてきた。2017年に新字源の改訂新版が出て、ああ角川はこれで中型としても使えるものにしたなと思った。広辞苑などの中型国語辞典も次の版が印刷物で出るかどうかである。(大辞林は紙は現在の4版で終わりだろう)夜更けて中型漢和辞典のページを開くと、もうこれからはディスプレイで見るしかないのかと思う。私は頭が悪いので漢籍を読む時に、辞書に初めてでてきた単語や成句がある部分にポストイットをつけて何度もそれらを見ることをする。これは紙の辞書でやるに限る。一冊漢籍を読んだら、そのポストイットをノートに書き、残っているページに貼り付け保存する。そうするとバカでも頭に残るようになる。実にアナログなやりかたである。

 

辞書好きな方のサイトをみると夕陽が沈む前の姿を思い出す。出来れば朝焼けの空を見たいものだが、紙は終わりだろうから朝は来ない…。