本日で引っ越し完了。
あの建物は蛻の殻で、次の住人を待っています。
やんわりと、本当にやんわりと店を閉じるつもりだと、オーナーに言われたのが1月。
その後何事もなく過ぎて行き、9月15日で完全撤去と告げられたのが8月の第2週。
皆様にお知らせしたのが8月後半。
本当に沢山のお客様が足を運んでくださり、そして半ば無理やり買い物してくれて、何度、泣きそうになったかわかりません。
まだ最終日ではないからと、涙を抑え
「またね」
と、皆様をお見送りし続けました。
どうして、ノウエに来てくださるお客様はこんなにも人が良いのだろうと心配になる程で、ちゃんと世の中渡っていけてるのかなぁと不安を覚えるほどです。
私という人間はなんの取り柄もない甘えん坊で、だらしのない怠け者なのですが、このお客様達だけは自慢出来るかけがえのないものでした。
今日、蛻の殻になった店内を見渡しても、なんの感慨もありません。
これは単なる容れ物だからです。
「ノウエ」という店はお客様が作っていた店なのだとつくづく感じました。
今、しんみり思い返せるのは
「またね」
と、手を振りながら帰るお客様の顔、顔、顔です。
皆さんが大好きです。
かけがえのない10年を作り上げてくださった皆さんが大好きです。
本当にありがとうございました。
まだはっきり決まってないので大きな声では言えませんが、新しいカタチで皆様に会えるよう尽力中です。
その時にはまた、皆様の力をお貸し下さい。
何回も何回も言うけど、本当にありがとうございました。
ノウエ 北澤葉央子