今2024年4月。この1年数か月、ずっと心の片隅に引っかかっていることがある。焼肉屋の「のぶ」だ。

阪東橋。よこはまばし商店街の近くにあるこじんまりした店である。引っ越してきてから1年も経ってやっと見つけた店だった。

自称記録マニアの私で、通った回数や日付けなども残しておくわけだが、顔を出した回数が非常に多いのが「のぶ」なのだ。

注文回数としては「いわき」(よこはまばし商店街に隣接する喫茶室)のほうだけれども、こちらは大半がテイクアウェイであるため、店内で食した回数となると「のぶ」はほぼ最上位となる。

 

倒れて約4か月入院し、退院してからちょうど1年。けれどもこの16ケ月間、あれほど気に入っていた「のぶ」に一度も顔を出していないのだ。このことが自分ながら異常なくらい重いのである。ましてこの店は住まいから最も近いのだから、不思議で仕方ない。

 

寡黙で物静かなご主人と、韓国美人の奥さん。実に良い肉を仕入れており、まことに信頼できる店である。

ビビンバがおかずでご飯は別、と思い込んでいた私に「ビビンバのバはご飯のことです」と教えてくれたのはここの奥さんだった。

 

友人を二人、別々の機会に案内したが、双方とも大いに喜んでくれた。

近いうちに是非とも夫婦で元気なところを見せに出向きたい。真っ先に頼むのは「上レバー」だ。続けて「ホルモン」「チョレギ」「ハラミ」「カルビ」「野菜スープ」などと休みなく注文を出す。二人揃って早食いの大食いときているから、さぞせわしない客だろう。

毎回ほとんど同様の品を一気に食べ尽くして、さっさと引き上げる。

安心して通える焼肉屋を私たち夫婦は見つけた。

 

尚、「のぶ」という店名はご主人のお母上の「のぶこさん」にちなんで付けられたもの、とのことである。