プレスリーと島倉千代子が13曲で野路由紀子が12曲。パット・ブーン、ナット・キング・コール、トリオ・ロス・パンチョス、シャルル・アズナヴール、ピーター・ポール&マリー、そしてダーク・ダックス、小林旭がそれぞれ11曲。

シュープリームス、シルヴィー・ヴァルタン、ペレス・プラード楽団、更にサイモン&ガーファンクル、それと日本の中森明菜とあがた森魚が10曲ずつで、これが10曲以上のすべて。

 

プレスリーのヒット曲の中から真っ先に選びたいのは<サレンダー>なのだが、これは<帰れソレントへ>という世界的な名曲が元になっているので、<本命はお前だ>を筆頭にする。他では<好きにならずにいられない><今夜はひとりかい?>も良かった。

野路由紀子は懐かしい歌手だ。私がいわゆる風来坊時代に、たまたまTVで放映していたドラマ「北信濃絶唱」を母親と何度か観ていて、その主題曲として使われていたのが野路由紀子の同名楽曲だった。澄んだ高音にスナオな歌唱、母親が彼女を大層褒めていたのを思い出す。<彼岸花><広瀬川慕情><嫁入り舟>など地味さが良い。

 

パット・ブーンの甘い声質は実に心地よかった。<アナスタシア><アイル・リメンバー・トゥナイト><悲しき女学生><スピーディー・ゴンザレス>、それと忘れてならない名曲が<夕陽の彼方に>。

ナット・キング・コールでは<ネイチャー・ボーイ><モナ・リザ><プリテンド>はじめ聞き惚れる曲が非常に多い。

アズナヴールは<戦争の子供たち><ラ・ボエーム><イザベル>と続く。忘れているわけではない<世界の果てに>は図抜けた名曲と感じるが、どうしてもピア・コロンボのほうの歌唱に取られてしまうのだ。

トリオ・ロス・パンチョスも好みである。<シボネー><キエン・セラ><ソラメンテ・ウナ・ヴェス>。尚、<ある恋の物語>は珠玉だが、私のオリジナルは彼らではなく、もはや調べようがない誰とも判らぬアーティストの歌い方(演奏)のほうが耳に残る。

PPMの最高好みは<ハリー・サンダウン>で、次いで<悲惨な戦争><虹と共に消えた恋>と続く。<悲惨な戦争>では曲中、♪トゥモロウ・イズ・サンデイ、マンデイ・イズ・ザ・デイ♪と歌う部分に惹かれたものだ。恋人に戦地へ行かれてしまう女性の心情。明日は日曜日、月曜はその日…。このやるせない表現が良かった。