- アジャイル開発の本質とスケールアップ 変化に強い大規模開発を成功させる14のベストプラクティス.../翔泳社
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アジャイルという言葉はよく聞くもののその本質というのはどういったものかというのはなかなかわかりづらいものです。
私が普段所属しているチームも少人数でとても小さなもので、そこで見よう見まねでアジャイルを実践しようとしてもなかなかうまくいくものでもありませんし、そもそもそれがアジャイルのプラクティスとして正解なのかどうかはわかっていませんでした。
この本では、そんなアジャイル開発の特徴や種類や実行ステップの詳解から、大企業や大規模チームでのアジャイルの適用事例まで広く網羅、解説されています。
アジャイルといっても様々なメソッドがありますし、それぞれ微妙に手法や本質が異なってきています。
しかし、そのどれもが根底には既存のウォータフォールモデルなど、大規模ソフトウェア開発手法の欠点、そしてそれが受け入れられてきている開発現場への反論や修正するための手法となっています。
ウォータフォールモデルというのはひどく論理的な観点で設計・スケジューリングされた開発されたモデルでもあります。
過去の経験に基づく統計的な見積もりや、独自の係数や計算式を用いた見積もり方式、そしてそれらから導きだしたスケジュールというのは全てがうまくいったらという仮説の元で成り立っていたりもしますし、その多くのことがうまくいかないというのは、エンジニアなら誰しも経験のあることです。
アジャイル宣言 を見てもわかるように、アジャイル開発というのは人間的な考えに基づいていますし、机上の空論だけではうまくいかないことを修正するために生み出された手法となっています。
しかし、ただウォータフォールモデルの開発プロセスを小さく区切って反復したり、ペアプログラミングを始めたからといってうまくいくわけでもありませんし、アジャイルにしたからといって全てがうまくいくわけでもありません。
先に書いたようにアジャイルの中でも様々な手法がありますし、チームや企業の文化などにより適用可否はプロジェクトによって変わってくるでしょう。
その手法や適用可能性を探るという意味で、この本は役立つかもしれません。
目次
第1部 ソフトウェアアジリティの概要 第1章 アジャイルメソッドの概要 第2章 なぜウォーターフォールモデルは正常に機能しないのか? 第3章 XPの本質 第4章 スクラムの本質 第5章 RUPの本質 第6章 リーンソフトウェア、DSDM、FDD 第7章 アジャイルの本質 第8章 アジャイルのスケールアップに挑む 第2部 スケールアップ可能な7つのプラクティス 第9章 定義/ビルド/テストコンポーネントチーム 第10章 2レベル計画作りと追跡 第11章 反復型開発の習得 第12章 頻繁な小規模リリース 第13章 コンカレントテスティング 第14章 継続的インテグレーション 第15章 継続的な考察と適応 第3部 アジャイルな企業を作る 第16章 意図的なアーキテクチャ 第17章 リーン要求開発のスケールアップ:ビジョン、ロードマップ、およびジャストインタイムの詳細化 第18章 システムオブシステムとアジャイルリリーストレイン 第19章 高度に分散した開発の管理 第20章 顧客とオペレーションへのインパクトの調整 第21章 組織を変化させる 第22章 ビジネスパフォーマンスを計測する 結論: アジィリティはスケールアップ可能である