エンジニアのハイテク視点による敷居とギャップ | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

エンジニア的発想は危険な気がしている @ 矢野勉のはてな日記


確かにマニュアルを読まなくとも操作できるレベルというのは理想かもしれませんが、現実的には一般の人がそれに触ったときに感じる違和感や困惑のレベルとのギャップは大きいものだと感じます。

誰もが知っている、経験していることであれば、その自分の経験則よりあるべき振る舞いを予測できるのかもしれません。


プログラマのためのユーザインタフェースデザイン @ Joel on Software

人を幸せにするには、彼らが環境をコントロールしていると感じられるようにする必要がある。そのためには、あなたは彼らのアクションを正確に解釈する必要がある。インタフェースは彼らがそれに期待するように振る舞う必要がある。

従って、すべてのユーザインタフェースデザインの基本原理は:

ユーザインタフェースのデザインが良いというのは、そう振る舞うだろうとユーザが期待したようにプログラムが振る舞う ことである。

でも、はてなのサービスって経験したことのないサービスが多い気がします。

なので、アーリーアダプターにとっては勝手に予想して使うから問題ないけど、レイトマジョリティにとっては振舞いもわからないから使いようがないと。


それは、エンジニアが作るときの視点が、利用する側の視点と大きくかけ離れているからだと思います。

エンジニアって最先端のところで仕事をしているわけです。

特に、はてなって会社はIT系の中でも得意な文化を持っている会社ですし、そのエンジニアのITリテラシーってかなり高いと思います。

シリコンバレーを中心としたITの最先端の情報もウォッチしているでしょうから、そこで「これは面白い」という技術をどんどんと取り込んで、新しいサービスとしてリリースしていっているのでしょう。


ただ、それはあくまで最先端の現場で仕事をしているエンジニアの視点であって、それを使う側から見ればずいぶんとぶっ飛んだ視点で使うものだと感じるケースがあります。

はてブなんかのソーシャルブックマークは、一般の人から見れば未だにブラウザのお気に入り機能が中心でまだまだ認知されていないと思います。

IT系の仕事をしている人でも、私の周りではそれほど使っている人はいません。

車を作ろうとしたときに、エコとか低燃費とか考えて多くの人に受け入れられる考えて作る会社が多い中で、はてなが作る車ってナイト2000 を作っているような印象を受けます。

(Googleなんかはもっとぶっ飛んでてデロリアン を作ってるような)

今の普通車なら、免許を持っていれば誰でも運転できるでしょうけど、さすがにナイト2000にいきなり乗って運転できる人はいないでしょ。


話が少しそれますけど、IT系の言葉もそう。

システムの説明をするときに、この言葉って日常で使っているよねと思って、伝えてみても相手はぽか~んとしていることがよくあります。

エンジニアのレベルでは当たり前でも、一般の人には聞きなれない言葉はよくあるわけです。

今や当たり前に使われる「デフォルト」って言葉も10年前はまったく通じずに「最初から選ばれている項目」とかいう不細工で長い説明が必要だったりしました。


ギャップを埋めるためには、クールではなく一部でそういう不細工でなくてはならない点をエンジニアは許したくなかったりします。

クールに振舞いたい。クールに使ってほしいとか。

それを使いこなせる人も多いでしょうけど、そうでない人もいる。

今のはてなのサービスってクールに使える人が集まれているので、ある意味エンジニアにとっては理想の環境なのかなとも感じたりします。


近藤社長の言葉は、そこから脱するために悩んでの発言だと思いますけどね。
もっと認知されていけばよりよいサービスになっていくと思いますので、私は期待したいですが。