私は、社内の情報システム部門に勤務しているため、ユーザーと言うのは社内の人間と言う事になりますが、一般的な外のお客さんと同じようにこちらのユーザーも自分の希望をあれやこれや言ってくるわがままな存在です。
外のお客さんと仕事をする場合、そこにお金と言うものが当然発生します。
ユーザー(仕事を依頼する)側からみれば、その金額に見合う仕事をしてもらわないとと思うでしょうし、その金額の元を取るためならあれやこれや注文をつけてくるでしょう。
社内の情報システム部門の場合、お客さんと言うのは社内でしかも情報システムの扱いを専門としていない部門(人事、総務、経理の管理系や営業など)がその対象になります。
また、(これは企業によって異なってくるでしょうが)その部門から上げられてくる情報システム化の施策に対して、その部門で経費を見ないケースがあります。
つまり、そこにかかるコストは全て情報システム部門が受け持ち、その部門からタダで情報システム部門へ仕事の依頼を出してくるわけです。
※ 情報システム部で、こういった施策を実行するに当たり、そのコストや費用対効果を明確にして実行します。
ただ、その金額を受け持つのが情報システム部でその他の 部門は面倒を見ないというケースがあるわけです。
このタダ同然で依頼できるという認識が、コストの意識を希薄にさせあれこれ言ってくるわがままな存在に押し上げます。
人を動かすにしても、それを構築するために必要なソフトウェアなどを導入するにしろその部門には負担がないわけですから、自分の部門における問題点を解決するための全てを言ってくる訳です。
そこにコストがあるという認識があるのであれば、そのコストとそれで解決できる問題を天秤にかけ依頼するかどうか判断できるでしょうが、そういう判断ができづらくなっている事が問題となります。
一方、この事実を逆に情報システム部のわがままとしても利用できる場合があります。
「あなた達は情報システム部にタダで仕事を依頼しているわけですよ。人を動かす事はお金がかかるって事をちゃんと意識してくださいね」と。
ある程度、このタダで仕事をしているんですよという意識をさせれば、相手もわがままを言うのを躊躇してくれたり、申し訳なく思ってくれたりします。
社内同士なので縁を切るなんて事はできないわけですし、依頼先が情報システム部しかないのであればなお更です。
また、情報システム部門にも当然リソースと言うものが限られてくるので、矢のように降ってくる全ての依頼事項に全て対応できるというわけではありません。
「今、人が足りません。お急ぎであれば外部のリソースに頼るか、何がしかのパッケージソフトを購入したりして対応する必要が出てきます。そちらにその費用はありますか?」と。
こういうことを言うと、相手も真剣に考え出します。何せそこにかかるコストがはっきりと分かりしかも、自部門でそれを負担しないといけないと言う意識が強く出てくるからです。
情報システム部門のお仕事において、その情報システム化施策を実行するに当たりどれ位のコストがかかり、それに対してどれ位の効果が見込めるのか、そしてそれを行う事で解決できる問題が本当にそれに見合うのかどうかと言う事を、依頼先の部門ときちんと話し合う事が重要になってきます。