ベースターズオヤジさんから私が気づいてなかった観点でのコメントが有りましたので、私のわかる範囲で補足させていただきます。

もっとも、アンプにもいろいろありますので、私が愛用しています。1970年代~80年代のオーディオアンプを想定した内容であることをお含みおきください。

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コメント: なお、( カッコ )内は私が書き加えています。

アンプの電源は三端子レギュレータとやらで電圧を降下させて(そして、電圧を安定化させて)供給しているから、関係無いかなと思っていたら、全然違うんですね。

 

※いえいえ、まったくその通りです。

アンプ内部で使用する電源の多くは、DC(直流)化させ、電圧を安定化させて使用しています。

その部分は、多少AC電圧を変化させても電圧変動は有りません。

もっとも、AC電源を極端に低くすると、その回路も能力が発揮しきれませんので、完全安定化ではありません。

 

下の図の内「DC整流+電圧安定化」と書いた部分がそれです。

 

しかし、電圧安定化しないで、使用している電源もあります。

図の「DC整流のみ」と書いてる部分です。

その電源は、終段出力回路と書いている、パワートランジスタを動作させています。

もしかしたら、世界中のアンプを調査するとこの部分も安定化した電源を使用したものが見つかるかもしれませんが、普通はそうではありません。

 

今回の【面白実験室】で、AC電圧を変化させましたが、その影響はこの部分に現れています。

簡単に言えば、電圧を下げるとスピーカー駆動能力が低下する。

→クリップが起きやすい。

電圧を上げると、駆動能力が向上する。

→クリップが起きにくい。


コメント:

ということは、諸外国のAC120Vや200Vの方が馬力のある音なんですかねぇ? 段々と混乱してきます。(汗

 

そうですよね。混乱と変な期待が生まれますよね。

供給されるAC電源が120Vや200Vの国でも、アンプ回路が必要とする内部回路電圧に違いはありません。・・と、言うか設計仕様や回路素子によって決まります。

そのため、例えば、AC200Vであっても、内部のトランスで電圧を適正値に落としてから、使用しています。

言い換えると、その国々に応じたトランス(実際はトランスのタップ切り替えでしょう)が使用されてるわけです。

 

今回の【面白実験室】でやったこと、分かったことをもう一度振り返ると。

1.多少電源電圧を変えても、1KHzサイン波、1Wの低出力状態では、変化は見られなかった。

 ※少なくとも、オシロで観測される波形に変化はなかった。

 

 

2.しかし、音楽(特にピアノなどの打撃音)再生においては、試聴感として微妙な変化を感じました。 

 ※個人差はあると思います。

 

 

3.AC電源の電圧を変化させることで、安定化されてない終段出力回路の動作に影響が有り、波形クリップなどの現象が出た。

 ※電圧が低いと最大出力(W数)が減少し、電圧を上げるとその最大値が大きくなる。

 ※ただし、ボリューム位置が同じなら、ほぼ音量は同じです。どこまで大きな音が出せるかの違いです。

 

 

4.そのようなことが、試聴感の違いに現れたのかな~、と思った次第です。

 

以上補足でした。

※なお、設計仕様値が有りますので、たとえ実験でもあまり大きな電圧をかけると危険です。

 電気事業法施行規則第44条の95V~107Vぐらいまでが無難と思います。