献血で「唇がピリピリ」「機械がピーピー鳴る」あなたへ!
体の中で起こっている自律神経と血液の関係性とは?

先日、成分献血に行ってきました。

実は最近、献血に行くたびに途中で唇がピリピリし始めて、そこから脂汗が出たり、めまいがしたり、体がスーッと冷たくなっていく「迷走神経反射」に悩まされていたんです。

ベッドの上でそんな辛い症状(程度は毎回違います)が出てしまうので、今回は自分の中でしっかりと対策を立てて、自分の体で人体実験をしてみました。

献血中って、私と同じように「唇のまわりがピリピリ痺れる感じ」がしたり、血流が悪くて機械が「ピーピー」警告音を鳴らして、看護師さんに腕を温められたり、そんなことを経験したことありませんか?

「それって、ただ体が冷えているからじゃないの?」と思われがちですが、実は体の中で、もっと目まぐるしいドラマが起こっているんですよね。

【なぜ不調が起こるのか?納得の理由】

■ 1. 薬による一時的な「カルシウム不足」(クエン酸反応)

成分献血では、体外に出た血液が機械の中で固まらないように「クエン酸ナトリウム」というサラサラにする薬を混ぜて体に戻します。このクエン酸が血液中のカルシウムと強力に結びつくため、一時的に体内の有効なカルシウムが急激に減少します。カルシウムは筋肉や神経 の「電気スイッチ」の役割を担っているため、これが一時的に不足することで神経が過敏になり、最初のサインとして「唇のまわり」や「手足の指先」にピリピリとした痺れが現れます。

■ 2. 緊張が招く「過呼吸(過換気症候群)」による痺れ

「針を刺すのが怖い」「緊張する」といったストレスから、知らず知らずのうちに呼吸が浅く、速くなる(過呼吸)ことがあります。呼吸を過剰に行うと、血液中の二酸化炭素が外に出すぎてしまい、血液が一時的にアルカリ性に傾きます。血液がアルカリ性に傾くと、やはり体内のカルシウムがうまく働けなくなり、1のクエン酸反応と同じように唇や手足のピリピリ感やこわばりが引き起こされます。

■ 3. 「低血糖や血圧低下」はどこで関わってくるのか?

「血圧低下」は、献血の現場では「血管迷走神経反射(VVR)」と呼ばれ、緊張や血液量の変化で血圧が急降下し、脳への血流が一時的に減る現象です。また、空腹時(低血糖気味)に起こる低血糖症も自律神経を直撃します。これらの「血圧低下」や「低血糖」が起こったときに出る主な症状は、「血の気が引く、めまい、冷や汗、あくび、吐き気、目の前が暗くなる」といったものです。つまり、「唇の痺れ」はカルシウムと呼吸(二酸化炭素)のバランスが直接の犯人であり、気分が悪くなる「血圧低下や低血糖」とは、起こっているメカニズムが医学的に全く異なります。

■ 4. 緊張で血管が縮こまり、機械が鳴る仕組み(交感神経のイタズラ)

不安や緊張がピークに達すると、自律神経の「交感神経」が過剰に働きます(戦闘モード)。体は脳や心臓などの重要機関に血液を集めようとするため、手足の血管(末梢血管)に対して「通り道を狭くしろ」と命令を出し、血管をギューッと細く縮こまらせてしまいます。血管が細くなると、機械が血液を吸い出す際の抵抗が一気に高まり、センサーが感知してピーピーと警告音(脱血不良エラー)を鳴らします。温かいパックやカイロを腕に当てるのは、熱で直接血管を広げるだけでなく、ポカポカとした温もりでリラックスを司る「副交感神経」を優位にし、血管の縮こまり(緊張)を解くためです。

■ 5. 事前の「飲み物選び」と献血中の「過ごし方」が不調をブーストさせる理由

・「よかれと思って選んだ飲み物」の落とし穴
献血前には必ず水分補給を促されますが、このときにロビーの自動販売機で「ココア」や「甘いジュース」など糖分の多い飲み物を一気に飲むと、血糖値が急激に上昇したあとに急降下する「反応性低血糖(血糖スパイク)」が起こりやすくなります。この血糖値の乱高下は自律神経を直撃し、急な血圧低下やめまい(血管迷走神経反射)を引き起こす強い引き金になります。
・ベッドの上での「姿勢と目の使い方」による影響
献血中に「スマホを見る」「テレビを見る」「本や漫画を読む」といった過ごし方をする際、うつむき姿勢を続けたり画面や文字をじっと凝視したりすると、首の後ろの筋肉や目の神経が過度に緊張します。この緊張が首の太い血管や神経を刺激し、脳への血流減少や血圧低下を引き起こしてしまうのです。
・集中による「無意識の息こらえや浅い呼吸」
スマホの操作や読書にグッと没頭・集中してしまうと、知らず知らずのうちに呼吸が極端に浅くなったり、呼吸を止めてしまったりすることがあります。これが体内の二酸化炭素のバランスを乱し(過呼吸状態を招き)、唇や手足のピリピリとした痺れを引き起こす、隠れた原因になります。

【自分でできる「口すぼめ呼吸」の驚くべき効果】

そこで今回、私がベッドの上で実際に試してみたのが「口すぼめ呼吸」です。

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椅子に座りリラックスしながら口すぼめ呼吸をするイメージ画像

「口をすぼめて6秒かけて細く長く吐き、鼻から3秒でスッと吸う」

これだけです。

それと、献血前の水分摂取は温かい緑茶にしました。

これを意識してやってみたところ、今回はいつも感じるような不快感や血圧低下(迷走神経反射)がまったく起こらず、めちゃくちゃ楽に、最後まで快適に献血を行えました!

なぜこの「口をすぼめて吐く6秒、吸う3秒」が効くのかというと、口をすぼめて息を長く吐くことで自律神経のブレーキ役である「副交感神経」のスイッチが入り、緊張で縮こまっていた血管がふわっと広がります。さらに、細くゆっくり吐くことで、緊張による「無意識の浅く速い呼吸(二酸化炭素の出しすぎ)」を完璧にブロックし、血液のアルカリ化をストップさせ、唇のピリピリ感(クエン酸反応による症状)を元から抑え込めます。これに献血前に糖分を入れないことで血糖値の乱高下を防ぐことができました。それにより前述した通り、快適に献血を行うことができました!

私たちの体は、頭で「リラックスしよう」と思っても簡単にはコントロールできません。でも、自分の意志で自律神経にアクセスできる唯一のツール、それが「呼吸」です。

日々の生活や家事、お仕事で、肩が重い、体がガチガチになっているときも、実はこれと同じように交感神経が働きすぎて、血管や筋肉がギュッと縮こまっています。

イタトレの施術で関節の「滑り」や「転がり」を整えて体にゆとりを作るのと同じように、呼吸を整えることもまた、自律神経のバランスに「遊び」を作ってあげる大切なセルフケアになります。もし「最近リラックスできていないな…」と感じたら、まずは「吐く息を口をすぼめて少し長めに」意識してみてくださいね。