神谷イタル。雑記。 -18ページ目

神谷イタル。雑記。

松竹芸能で漫才師というお仕事をやっております。
大半の時間をソシャゲとアニメに費やしております。
思いついたことをつらつらと書き綴っておりますのでよしなに。

原作崩壊注意

キャラ崩壊注意

 

 

 

何千、何万と繰り返した動き、いつものようにハンマーを振り下ろす。

時代が変われば物事の在り方も変わる。

アイドルとてそれは同じ。

輝くステージは、くすんだアスファルトへ変わり。

マイクを金槌へと持ち替えた。
ここには歌もステップも、もちろんファンサービスも無い。
向かう相手は乾いた音を立てるマンホールだ。
アイドルがファンに向けてライブをする時代は終わった。
今アイドルに求められているのはマンホール修理だ。
誰から賞賛されるわけでも持て囃されるわけでもなく、かといって虐げられ嘲られるわけでもない。ただ、そういうものだ。
 
作業の終了を確認し、スマホを開く。
最新の情報は仕事を効率的に進める上で何よりも重要になる。
どうやら西地区でまたひと悶着あったらしい。
この業界では他人のシマを荒らさないのは暗黙の了解。
こういう事をするのは恐らく、芽衣だろう。
アイドルの役割が変わってしばらくした後、星見プロダクションは解体された。
サニーピースも、月のテンペストも、しばらくは行動を共にしていたが結局散り散りになった。
今ではどこに居るのか分からないメンバーも居る。
雫なんかは早々にアイドルを辞めて今は開発に回っているらしい。
私も今では一人だ。何も問題は無い。一人の方が動きやすい仕事でもある。
エリア内に次の目的地を定める。
少し隣のエリアと近いのは気にはなるが-----
 
「あれ、怜ちゃん、久しぶり~。」
 
どうやら危惧していた通りになってしまったようだ。
咥えタバコでニヤニヤ笑うのは伊吹渚。
かつての同僚ではあるが今は仕事を食い合う商売敵でしかない。
「他人のエリアに勝手に入るのはご法度だと思うのだけれど。」
全く、芽衣といい最近は本当にどうかしている。
そもそもこの世界自体がどうかしている、その事実は気付かない振りをする。
「ここ怜ちゃんのエリアだったの?気付かなかったよー。」
何の感情もこもっていない声。長年付き合いを共にした仲で無くても嘘だと分かる。
いや、隠す気も無いんだろうけど。
「それよりも怜ちゃん、まずは挨拶が先じゃないかな?」
その声を聞いて渚の傍らに立つ小さな人影に初めて気付く。
「いつも挨拶は大事、って言ってたのは怜ちゃんじゃなかったっけ?」
川咲さくら。
今は渚のバディとして活動し、同じように咥えタバコで、渚と同じ表情で笑っている。
「別に仕事の邪魔をしに来たわけじゃないよ、近くに来たから挨拶しにきただけ。」
「そう、それなら非礼を詫びるわ。で、用が済んだならさっさと帰ってくれないかしら。仕事に戻りたいのだけど。」
仕事に戻りたい?自分の発言ながら驚きだ。目の前の2人に釣られたのかもしれない。
そんな心の内を見透かしてなのか、声を揃えてケタケタと笑う渚とさくら。
 
「そういえば怜ちゃん、すずにゃんは元気?」
唐突なかつてのバディの名前に狼狽えるのを、しかし悟られまいと無表情を貫く。