異邦人 | 大山格のブログ

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おもに歴史について綴っていきます。
実証を重んじます。妄想で歴史を論じようとする人はサヨウナラ。

 私が文豪カミュの名作『異邦人』を読んだのと、この曲が流行ったのとは、偶然にも同時期のことでした。



 俄然、イスラム世界に興味を抱いたのですが、その翌年にはイランイラク戦争が勃発、なまなかな取り組み方ではイスラム世界を知ることが出来ないと悟りました。そして腰が退けてしまい、いまだにイスラム世界に関して疎いままでいます。

 ムラ社会である日本では出身地域で余所者扱いされたりすることは、いまでも珍しくありません。ここでいう余所者とは、この曲で歌われる"異邦人"と本質的に同じです。根源的な部分で相互理解を拒絶するような、閉鎖的な地域性ってありますよね?

 たとえば、墓所公開で拝礼を拒否するのは旧西那須野町の人ばかりなのです。

――お墓って、お詣りするものでしょ?

 と申しましても、「いいや見物したいだけだ。頭さげたり、手を合わせたりしたくない」と頑固に拒絶するのです。会釈くらいでもしていただけるならと譲歩しても、他人の墓に敬意を表するなんてバカのすることだなどとおっしゃる。そんな方が毎月、何人か来るのです。

 私にとっては異邦人ですよ。同じ日本人とは思えません。向こうからすると、私こそが余所者ではありましょうが、互いに譲れないなら答えは一つです。

――お引き取りください

 西那須野の人でも、そんな人ばかりではありません。草刈りの途中で立ち寄ったというお年寄りは柏手を打って、御辞儀をして、賽銭代わりにカンパ箱にと思ったところ、財布を持ってきていないことに気づいたそうです。「少なくって悪いネ」といいながら、たぶんジュース代にしようとしていただろう130円を入れてくださいました。嬉しいことです。


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