
作業は連日、08:00から始めました。まずはカニクレーンと呼ばれる、小型クレーン車をトラックからおろします。合計3台を使用しました。

カニクレーンはゴムキャタピラで所要の地点まで自走したのち、4本の脚を展開します。

灯籠は参道に24基のほか、巌、沢子(死別した先夫人)、捨松の墓前にも計6基あって、全部で30基です。同時に3基ずつ、修復していきます。まずは乱雑に倒れたままになっている部材を動かして、作業スペースを確保します。

地盤が傾いている場合は、土台石を引きはがし、モルタルで地盤を水平にならします。

下から順に、モルタルを挟みながら部材を積み上げます。

倒れたときに割れた破片は、可能な限りコーキング剤で接着します。

微妙なズレは、人力でなおしていました。

ひとつ部材を積むごとに、水準器で確認しつつ水平を保つよう微調整します。

割れた部材を接着した継ぎ目をモルタルで埋めて目立たなくしています。

歪んでしまったうえにズレを生じていた鳥居は、カニクレーン2台がかりで補修します。モルタルだけでは心許ないので、コーキング剤も併用していただきました。

コーキング剤が乾くまで、縛って固定します。

2日目には、ほぼ修復を終え、3年ぶりに灯籠が建ち並びました。

そして、大山巌の墓も威容を取り戻したのです。

なにせ修復前は、こんなでしたから……。

栃北石材組合青年部の皆様と。お若い職人さんたちの確かな手腕を見せつけられました。しかも、考えられないほど低廉な見積もりで修復を引き受けていただき、感謝の気持ちは言葉に表せないほどです。
第1期修復工事にかかる費用は、NPO交通文化連盟さまの口座に入金していただいた御寄付と、大山家からの拠出で間に合わせます。
第2期工事からは所要額が跳ね上がるため、那須塩原近隣に住む一部有志による募金を受け入れる予定ですが、あくまで事業主体を譲るつもりはありません。大山家の指定する口座への資金回送を経ずに、直接修繕費を施工業者様に支払うというような条件が付く場合は、たとえ資金難に陥ろうとも受け入れません。また、保存の対象を「植物を含まない」などと指定するような条件がつく場合も受け入れません。
なお、引き続き大山巌墓所の修復事業に対する御寄付を求めています。
御協力くださる方は、下記口座へお振り込み願います。
三井住友信託銀行松戸支店 普通329-7698754
特定非営利活動法人交通文化連盟
よろしくお願いいたします。

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