明治を覗く | 大山格のブログ

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おもに歴史について綴っていきます。
実証を重んじます。妄想で歴史を論じようとする人はサヨウナラ。

 明治になって、唐突に煉瓦の洋館が建ち並んだわけではない。多くの農民は、あいかわらず先祖伝来の家屋に住み、雑穀や麦を混ぜた飯を食べ、和服に草履といった恰好をしていた。人目につくようなところにだけ煉瓦造や木造白ペンキ塗りの洋館が建てられたのだ。
 明治時代の日本は、まるで芝居の書き割りのように、上辺だけ文明開化の衣を着せた発展途上国だった。裏に回れば、人々は封建時代と大差のない生活ぶりだった。ただ、大きく違うのは、民権運動に見られるとおり、徐々に民衆が知識をつけはじめたことだろう。
 上辺だけでもいけないし、裏側を垣間見ても、まだ足りない。じっくりと時代人心を観察することが歴史を知るうえで大切なのだ。

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