ボルチモア湾を東西へ連絡する橋崩落 | ある女子大講師

ボルチモア湾を東西へ連絡する橋崩落

ボルチモア湾を東西へ連絡する橋崩落

1.ボルチモアの橋にコンテナ船が衝突して橋が崩壊した。現地時間3月26日午前1時30分(日本時間3月26日午後2時30分)ごろ、米国メリーランド州の港町・ボルチモアで大規模な橋の崩落が発生した。崩落したのは「フランシス・スコット・キー橋」で、シンガポール船籍の大型コンテナ船が衝突。瞬く間に、橋の大部分が崩れ落ちた。 衝突したコンテナ船「ダリ」は、衝突前に電力を喪失。救難信号を出したといい、緊急通報を受けて橋はすぐさま通行止めとなったという。しかし、事故により、複数の車両と橋の路面補修をしていた作業員が川に転落。6人が行方不名となっている。

 

2.この衝突の瞬間はライブカメラの映像に収められている。映像では、コンテナ船の照明が突如消え橋に接近、その後、電力が復旧するも船からは黒い煙。その後、再度照明が落ち、再び電力が戻ると同時に支柱に衝突する様子が明瞭に写っていた。衝突の1分ほど前には、橋の上を車両が通過する様子もみられた。事故の動画はSNS上で瞬く間に拡散。日本でも衝撃を受ける人が続出した。ワシントンDCとNYを結ぶ大事なルート。長期にわたって使えなくなると、日本にも大きな影響がある。復旧に向けての長期化は避けられない。日本の生活にも、影響が広がりそうだ。1980年代、NY勤務の時に、レンタカーで渡ったこともある。

 

3.宮崎大学 工学部 森田千尋教授 「(今回の橋は)3径間連続のトラス橋。橋を支える橋脚が崩れると全体に影響を及ぼす」  橋脚と橋脚の間に床版が1つしかない構造とは異なり、今回、崩落した橋は3つの橋脚と橋脚の間がつながっている3径間連続の橋。さらに強度を上げるため「トラス構造」と呼ばれるアーチ状の三角の骨組みでつないでいました。  事故後の映像を見ると、三角の骨組み「トラス構造」の部分も川に沈んでいるのが確認できます。船が衝突した瞬間、橋脚が斜めに傾き、それと同時に橋は一気に崩れ落ちています。CG(コンピューター・グラフィックス)で再現すると、橋脚の支えを失った部分が最初に落下。トラス部分の重量の負荷が増え、衝突しなかった部分も崩落したのです。  では、日本でも同じような事故は起こり得るのでしょうか。 宮崎大学 工学部 森田千尋教授 「橋を設計する場合には通常、走る車の衝突までは設計に含まれているが、船がぶつかるというのは想定もしていないので」 ■“船衝突で橋が崩落”世界各地で  船舶などの衝突による橋の崩落事故は世界中で起きています。先月にも中国・広東省でコンテナ船が橋脚に衝突。橋の中央部が崩れ落ち、ぶつかった船の上には大破した路線バスが。車両や電動バイクなど合わせて5台が崩落に巻き込まれました。 ■類似事故は35件 橋脚保護に重点  1960年から2015年までに似たような橋の崩落事故は世界で35件。うち18件がアメリカで起きています。 ジョンズ・ホプキンス大学 レイチェル・サングリー准教授 「多くの人が今、比較しているのは1980年にタンパで起きた橋の崩落だと思います」  1980年5月、フロリダ州のタンパ湾で悪天候のためレーダーが利かなくなった大型貨物船が橋脚にぶつかり、橋が落下。多くの車が海に転落、35人が命を落としました。この事故を受け、多くの橋が橋脚の保護に重点を置いて作られるようになったといいます。  しかし、この3年前、すでに完成していたのが今回、事故が起きた橋だったのです。 ■貨物船が陥った“電源喪失”とは?  そもそも、なぜ貨物船は橋にぶつかったのでしょうか。  当局によりますと、衝突の直前、貨物船でトラブルが発生。電源を失って舵(かじ)が取れなくなったため、救難信号を出していたということです。 海事センター理事 「制限された海域での電源喪失ほど恐ろしいものはありません。もし船が推進力と舵を失えば、風や海流に運ばれて移動するしかありません」  多くの船には万が一の事態に備えて緊急用の電源があるといいます。しかし…。 海事センター理事 「稼働できるのは通信と照明、消火設備などの電源だけ。(緊急電源に)主要な推進力を回復させる能力はないのです」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2024

 

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