何故、1は素数ではないのか | ある女子大講師

何故、1は素数ではないのか

1.何故、1は素数ではないのか?理由は特になく、あえて言えば、そうした方が都合がいいからだ。おそらく、「素数とは1と自分自身以外に約数をもたない数」と聞いて、「では1も素数ではないのだろうか」と思われたのでは。でもこの定義は誤りで、本来は「素数とは1と自分自身以外に約数をもたない2以上の数」だ。1は素数にならないように定義している。1が素数でないことは定義(数学の世界での約束事)。定義は正確に理解する。

 

2.ではこのような約束事をもうけた理由は何か? よく「1を素数とすると素因数分解の一意性が成り立たない」ことを理由にあげる人がいますが、素因数分解を「2以上の素数の積として表すこと」とすれば問題ない。定義が変わったら、変わった定義に合わせて命題を書き直せばいい。「1を素数に含めないという約束事の理由」は分かりません。一方で、この理由を考えることに意味があるとも思えません。ただし、数学の議論はある種の約束事に基づいて行うので、多くの人と同じように私も「1は素数に含めない」形で議論する。