日本製鉄、USスチール買収の舞台裏 | ある女子大講師

日本製鉄、USスチール買収の舞台裏

日本製鉄、USスチール買収の舞台裏

1.記事の3つのポイント

①日本製鉄は米国での一貫生産のためUSスチール買収

②単独での買収にこだわったのは技術のため

③ストップをかける動きもあるが、買収完了に突き進む

  

2.「米USスチールを約2兆円で買収」──。日本製鉄による2023年12月の発表は産業界に衝撃を与えた。だが、トランプ前米大統領が買収阻止を明言するなど、大勝負の行方には暗雲が垂れ込めている。これは成長戦略に「グローバル粗鋼生産能力1億トン」を掲げた日本製鉄の無謀な挑戦なのか。2023年8月14日朝、東京・丸の内の日本製鉄本社。米国から届いたニュースに日本製鉄の幹部たちは色めき立った。

 

3.発信源は米鉄鋼大手USスチール。同業の米クリーブランド・クリフスから約72億5000万ドル(約1兆900億円)規模での買収提案を受けたが、それを拒否すると発表したのだ。併せてUSスチールは「特定資産や会社全体の買収など幾つかの選択肢について検討を始める」と明らかにした。その戦略に照らし合わせれば、米国に高炉を持つUSスチールは喉から手が出るほど欲しい存在だった。

 

4.橋本の指示を受けたプロジェクトチームは即座に入札へのEOI(関心表明)レターを送り、USスチールとの交渉に入る。会社全体が前のめりになる一方で、橋本と森の頭には不安もよぎっていた。「空前絶後のチャンスだ」──。日本製鉄社長の橋本英二はすぐさまグローバル事業トップの副社長である森高弘を呼び、指示を出した。「(USスチールを)買う前提で動く。どんどん進めてくれ」。これが、後に政争の具にもなる巨額買収劇の幕開けだった。

 

5.その2年半ほど前の21年3月、社長就任から2年がたった橋本は中長期の経営計画で「グローバル粗鋼生産能力1億トン」の目標を掲げた。世界で保護貿易の壁が高くなる中、海外で粗鋼の生産から鋼材の加工までを一気通貫で手掛ける事業モデルに懸けたのだ。

以下、

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00289/030400082/...

地図、テキストの画像のようです

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