核融合炉、日本の強み | ある女子大講師

核融合炉、日本の強み

核融合炉

1.日本はイーターが燃料の重水素と三重水素を燃焼する実験を始める35年に原型炉建設の移行判断をする計画だが、前倒し案では移行判断の時期を変更せず、原型炉の製造設計を早めた上で短縮。原型炉の建設を35年のイーター燃焼実験直後に着手し、45年頃の運転開始を目指す方向だ。

 

2.課題は多い。文科省の「原型炉開発総合戦略タスクフォース」の議論では「開発を加速させる以上、従来計画よりもリソースを投入していくことは必要」と予算増額を指摘する向きもある。足元では大学でのプラズマ研究に占める核融合研究のウエイトは減少。博士課程進学率も低下傾向だ。産業化を見据え、研究開発を支える多くの専門人材も必要だ。

 

3.核融合の関連部品を手がける京都大学発スタートアップの京都フュージョニアリング(東京都千代田区)の長尾昂代表は「プラント技術やマイクロ波など、核融合に関連する分野の人材を採用することで対応している」と明かす。産業化への号砲が鳴り国際競争の時代が幕を開けた核融合。日本が競争から出遅れないためには、産学官が一体となり、核融合に本腰を入れる意思表示が欠かせない。

 

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