トヨタ株、時価総額が日本企業で歴代最大に バブル期のＮＴＴ超え

トヨタ株、時価総額が日本企業で歴代最大に　バブル期のＮＴＴ超え

１．日経平均株価が史上最高値を更新するのかどうかが話題だが、個別株は一足先に「バブル超え」を果たした。トヨタ自動車の株式時価総額が２３日、終値ベースで４８兆７９８１億円に達し、バブル期の１９８７年にＮＴＴが付けた記録を上回って日本企業の歴代最大を更新した。 トヨタ株は５営業日続伸し、２３日は前日終値比９円高の２９９１円で取引を終えた。24日は若干下がった。年初は２６３５円だったが、急ピッチで上昇した。

２．日本取引所グループ（ＪＰＸ）によると、これまで終値ベースの時価総額の日本最大は、民営化したＮＴＴが上場した８７年５月１１日に付けた４８兆６７２０億円。当時は世界最大の時価総額だった。 ＮＴＴ株は同年２月の上場初日は買い注文が殺到して値が付かないなどバブル期の熱狂的な投資ブームを象徴する銘柄となった。２３日時点の時価総額は１７兆１８６４億円でトヨタとソニーグループに続く国内３位。新ＮＩＳＡ（少額投資非課税制度）では、配当利回りが高い銘柄として個人投資家に人気で、今年に入って急上昇している。

３．バブル期のＮＴＴ株には過熱ムードもあったが、現状のトヨタは、２４年３月期の連結業績予想は売上高が４３兆円、営業利益が４兆５０００億円で、日本企業の最高値を塗り替える見通しだ。ハイブリッド車（ＨＶ）が好調で、２０２３年のグループ販売台数はドイツのフォルクスワーゲン（ＶＷ）を抑え、４年連続の世界首位を確実にしている。 アジア企業の時価総額（ドル建て）でトヨタは、中国のテンセント・ホールディングスを抜き、台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）と韓国のサムスン電子に続く３位となった。 東証に上場する株式の合計時価総額も今月に入って中国の上海証券取引所を上回り、約３年半ぶりにアジア首位に返り咲くなど、海外の投資家の「日本買い」と「中国売り」の傾向は鮮明だ。