大河ドラマ「光る君へ」第2回「めぐりあい」 | ある女子大講師

大河ドラマ「光る君へ」第2回「めぐりあい」

大河ドラマ「光る君へ」第2回「めぐりあい」

1.吉高由里子が本格登場。成人したまひろ(紫式部)の運命がいよいよ動き出す。 大石静氏が脚本を手がけるオリジナル作品。大河ドラマでは珍しい平安時代を舞台に、世界最古の女流作家とも呼ばれる紫式部/まひろの生涯を描く。子役パートから始まった1話は、まひろの母・ちやは(国仲涼子)が藤原道兼(玉置玲央)に刃を向けられ命を落とすという衝撃の展開が待ち受けていた。以下、

 

2.2話で描かれるのは母の死から6年後。成人したまひろ(吉高由里子)と、ちやはの死の原因を隠した父・藤原為時(岸谷五朗)との関係が冷めきっているなかで、まひろは恋文などの代筆仕事に自分の生きがいを見いだす。一方、藤原道長(柄本佑)の父・兼家(段田安則)はさらなる権力を得るべく権謀術数をめぐらせる。初回の視聴率は12・7%と、歴代ワースト発進。元日の能登半島地震の影響で放送枠がスライドされためぐり合わせのアンラッキーによるのも大きい。

 

3.父・為時が漢文を読むまひろに放つ「おまえが男子(おのこ)であれば」のモヤッと発言は「紫式部日記」に書かれている実話エピソード。まひろと三郎の初対面シーンも「源氏物語」の若紫と光源氏の「雀の子を犬君が逃がしつる、伏籠のうちに籠めたりつるものを」のオマージュ的演出のようにも見える。1000年の時を超えた伏線回収だなんて実にロマンがある話だ。  

 

4.甘酸っぱいストーリーが走る一方で、非情な母の死が描かれた。道兼の悲哀と狂気の入り交じった瞳、母の死の真相が今後のストーリー展開の鍵を握ることは間違いない。第2回は、満を持して吉高が登場。自分の考えていることをしっかり言語化できるヒロインは、視聴者の感情と齟齬がなく見られ、つづられる筆文字も美しい。細かいキャスティングも適材適所。ぜひ平安の世をシェアしてほしい。