2050年 衝撃の未来予想(TAC出版) 苫米地英人 | ある女子大講師

2050年 衝撃の未来予想(TAC出版) 苫米地英人

2050年 衝撃の未来予想(TAC出版) 苫米地英人

1.内容紹介:脳、人工知能を専門とする科学者として活躍。イエール大学で人工知能の父、ロジャー・シャンクに師事し、コンピュータ科学分野世界最高峰と名高いカーネギーメロン大学で、全米4人目、日本人初の計算言語学の博士号を取得。NASA、アメリカ国防総省など超有名機関にも導入されているコーチングの権威、各国政府ともつながりをもち、世界的には経済学者としても名を馳せる。超人・苫米地英人が「2050年の未来図」を大胆予測。社会構造、政治、経済、戦争、ビジネスほか、気になるテーマの本質を、世界・日本両面から縦横無尽に紐解いた。

 

2.平均寿命120歳時代到来。経済、行政、国防……、世界はサイバー空間を中心に再編される。巨大資本による仮想通貨が流通し「円」や「ドル」と同様の価値を有する。“マルタ騎士団”のようなバーチャル国家が国連に加盟。5次元サイバー戦争など当たり前、次はマインドハッキング。超人工知能時代の歩き方……etc. 【PHP研究所】

3.何でも屋的なフィールドワークの広がりを見せる認知科学者の当たるも八卦当たらぬも八卦な未来予想。しかし、最後の提言の実現化如何によっては、彼が日本の救世主になる可能性もある。「2050年の3種の神器は、人工知能、人工知能を脳でコントロールするインターフェース、遺伝子操作」(P27)
「ビットコインは発行者や運営者が不在で、その価値は重要と供給のみに依存している。流通通貨になるためには、通貨発行権者に十分な信用力と供給量をコントロールする術が必要」(P49)
「株主構成で大企業の多くは外資に実権を握られている。経団連がTPPに積極的なのは、彼らが外資のイエスマンだから」(P62)
「日銀砲の正体は、株価下落を防ぐようにみせかけ、実際はある特定企業の株に投資し、資金を外資へと垂れ流している」(P66)
「日銀の株主構成は、45%が民間分でそのうちの6%が金融機関だが、残りの39%はどんな個人が保有しているのか不明」(P88)
「世界の支配権をめぐる争いは、国家と銀行という争いというフェーズから、銀行と投資銀行の争い、金融資本家同士の覇権争いに移行している」(P100)
「TPPの本質は自由貿易ではなく、多国籍企業による日本経済の支配である」(P107)
「TPPは国家権力すら超越する力を持っている(ISDS条項の存在)」(P111)
「(TPPという)表向きは自由でフェアだとされる世界統一ルール・グローバル経済主義によって、締結国は立法・司法・行政権を蹂躙され、国家主権を奪い取られます」(P115)
「日本のメディア(テレビ局や広告代理店)は外資比率上限の20%を超える違法状態が続いており、実質的に外資に乗っ取られている」(P128)
「サイバー防衛能力を強化するために、日本独自のOS・制御システムの開発が急務」(P171)
「金儲け以外に理由のないカジノ法案を強行採決したことは、民主主義が金権資本主義に敗北した証」(P220)

こうした一連の問題提起と提言を実行に移すべく、「苫米地サイバー国構想の実現化」を推進しているそうですので注目。

4.2050年には「90歳でも若造」の時代になっているらしい。理由として、1世紀経たずに平均寿命が2倍近く延びているから。今、平均寿命が延びているのって、寝たきり高齢者が押し上げてあるからだと聞いたことがある。単純に平均寿命だけをみても意味がないのではと思ってしまった。そんな感じで、色々書いてあるが、「なるほど!そうなのか!」というようなものには出会えなかった。

5.陰謀論のような主張が延々と続き辟易したが、一つだけ面白い考え方があった:虚ニーズに踊らされ、必要のないものを買うために、必要のない労働に従事する日々とは決別すべき。我慢して必死に長時間働くのではなく、自分がやりたい仕事をして最低限生きていける年収をもらえばよい。仕事でどうしても嫌なことがあった場合、ステータスや収入を守るために無理して体や心を壊すよのではなく、この考えに従って逃げるという選択肢もあるのだと覚えておきたい。

テキストの画像のようです

いいね!

コメントする

送信