光か闇かの善悪二元論に陥ることのないように | ある女子大講師

光か闇かの善悪二元論に陥ることのないように

光と闇の対立とか、善と悪の対立などといった言葉が流行っています。
闇の時代が終わり、これから光の時代になる、といった具合です。
しかし、このような論では、決して明かされることがない事実があります。
それは、どこまでが闇で、どこまでが光なのか。
あるいは、どこまでが善で、どこからが悪なのかという線引です。

 

日本語の概念では、
「時間は、未来から過去に向かって流れている」のです。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」です。

時間は川に例えられますが、川の水は、上流から下流に向かって流れます。
同様に、時間も、未来という川上から、過去という川下に向かって流れます。

ですから、現在というポイントにいて、どのような未来を受け止めるかは、その人やその集団が、どのような未来を求めるかによって変わります。

過去は、「過ぎ去った」のですから、いつまで拘っていても仕方がないのです。
だから「水に流して」、より良い未来を受け止めることができるように、禊払いし、努力して顔晴るのです。
それが日本の古くからの思想です。
やってくる未来は、意思を持って築くことができるのです。

ゆめゆめ、光か闇かの善悪二元論に陥ることのないように。
人々が、どのような心を持つかで、私達が受け取ることができる未来が変わるのですから。