3月中旬でピークアウトしたか
3月中旬でピークアウトしたか
1.集団免疫は高齢者を見殺しにする戦略ではない。入院患者を抑制して医療崩壊を防げば死者は減少する。こうして1年も時間をかせげば、ワクチンや治療薬もでき、インフルエンザと同じありふれた感染症になる。日本では感染をゼロにする封じ込め戦略は不可能で必要でもない。
2.企業の営業自粛や学校の一斉休校などの私権制限をやめ、風邪を引いた人は自宅で休む程度にし、ゆるやかな感染を許容する集団免疫戦略に転換すべきだ。国の専門家会議の見解で「実効再生産数は日によって変動はあるものの概ね1程度で推移している。」とある。
3.実効再生産数は感染力を示す指標で、これが「おおむね1」ということは、新型コロナの感染がピークアウトした可能性を示唆する。図のように新規患者数も死者も、先週で頭打ちになっている。これは検査キットの不足などの原因も考えられるが、感染が飽和した可能性もある。
4.実効再生産数をRとすると、時間とともに R>1:感染が拡大する、 R=1:感染の拡大が止まる 、R<1:感染が衰える、 と変化する。集団免疫戦略とは、福沢諭吉のいう「悪さ加減の選択」だが、日本のとるべき戦略は明らかだ。それが専門家会議の提言したピークカット戦略である。
5.ここではコロナを完全に封じ込めることは想定しておらず、その感染を遅らせて時間を稼ぎ、医療体制を強化することになっている。つまり日本は、実質的に集団免疫戦略をとっているのだ。予想通り、3月中旬で山を迎え、月末に向けて下り始める。
6.英政府の科学顧問が「英国民の70%がコロナに感染すれば集団免疫が成り立つ」と発言し、メルケルも「独国民の60~70%が新型コロナウイルスに感染する」と議会で述べた。それに対して強い批判が専門家からも寄せられ、その根拠も「60%以上の国民が感染する」という前提の政策はありえないからだ。