ひょんな事からゲルマニウムダイオードを手に入れた私は、ラジオを作って夢であった「ラジオのある生活」の実現に向かって突撃を始めるのでした。
当時は今と違って「圧倒的に情報が少ない」時代でした。家では新聞を購読はしていましたが、連載漫画を見るくらいだったし、たまに、母にねだって近所の小さな本屋さんで漫画雑誌を買ってもらうくらい。
鉱石ラジオを作るにしても、回路図(そもそもその存在も知らない)も無い、作り方もわからないの「無い無い尽くし」。
だが、私はもうその頃から「熱中しやすく醒めやすい」性格だったようで、猛然と行動を起こし始めたのです。
まず、クラスの連中に聞きまわりそれが大ヒット。
ゼロ戦の絵を描くことで友達になった、ナオト君という子が「僕、鉱石ラジオ持ってるよ、自分で作ったんだ」という。ナオト君は県会議員の息子である。聞けば今でいうキットを買ってもらって、実体配線図を見て作ったとの事。
早速、学校の帰り道ナオト君の大きなお屋敷について行って、ラジオと説明書を見せてもらった。さらには回路図と実体配線図も写させてもらった。
必要な部品がわかった。しかし、お金は無い。貯まるのを待つしかないのか?さらには部品が揃っても自分の力で作れるのか?
近所の子で「鉄屑」を拾って小遣い稼ぎをする子がいた。勿論、私もやった事がある。お金持ちやちゃんとした家の子以外はたいていはやっていた時代だった。
その子が「鉄屑屋さんでラジオの部品をよく見かけるよ」と教えてくれたのでした。
私は大げさに言えば「暗闇の中に一筋の光」を見つけたような嬉しさに襲われたものでした。
*タイトルに追記(2023-11-24)