市外から来た知人からのヘルプ。
予備検査場に来るまでは問題なかったが、スピードメータテスタ測定時に、スピードメータが動かなくなったという平成25年式ミラ(L275S、KF)
この年式の車だと、4輪のスピードセンサーの信号がABS・ECUに入力され、その信号を元に車速を推定し、コンビネーションメータECUに車速信号を出力していると思われる。
そこでABSシステムのデータモニタで各輪のスピードセンサーの信号を調べることにした。
走行すると、フロント左以外は、スピードに応じて車速は上がっていったが、フロント左は0km/hのままだった。
しかし、コンビネーションメータ内のスピードメータは動いていた。
ABS・ECUがコンビネーションメータに車速信号を出力する方式の詳しい解説を読んでことが無いので分からないが、単純に考えれば4輪のスピードセンサーの平均値を車速としてメーターに出力しているのではないかと思う。
では、今回のように1輪だけ車速が0km/hの場合は、残りの3つの車速を足して4で割って平均値を出しているのか?
当然そんなことはなく、3で割っているはず。
では2輪が0km/hの場合はどうか?
2WDの場合は、予備車検場では駆動輪しか回っていなくてもメーターのスピードメータは動くので、2つの車速信号の平均値を車速としてでスピードメータを動かしているのではないかと思われる。
では、3輪が0km/hの場合はどうか。
たぶん、この車の場合は、ABS・ECUからはコンビネーションメータに車速信号を出していないのではないかと思う。
確認するために、データモニタで4輪の車速をモニタしながら、当社のスピードメータテスタでスピードを上げてくと、フロント右の車速だけが上がっていったが、メーターの針は動かなかった。(後輪は回っていない)
そのまま試乗に出かけると、フロント左は0km/のままで他の3輪は車速が上がっていき、メーターのスピードメータは正常に動いた。
やはり、1輪だけではスピードメータは動かないようだった。
ここでふと、「1輪の車速が0km/hのままなのに、なんでABS警告灯が点灯しないの?」という疑問がわいた。
異常検出をしていないのか?と思いダイアグノーシスを点検すると、4つのDTCを記憶していた。
消去後、もう一度点検すると、C0205(FL車輪速センサー断線)だけが表示された
現在故障なので当然警告灯は点灯するはず。
メーター内の警告灯を調べると、驚きの光景が・・・・・
イマドキこんなことするの?
エンジン、ABS、エアバッグ等の警告灯は運輸支局では必ずキーONで点灯、エンジン始動後には消灯することを確認するので、こんな手は使えない。
当然、このことは知っているので整備工場の人はしないと思う。
依頼者にも確認したが、このテープの事は知らなかった。
写真では光を当てているのではっきり分かるが、実際はよほど気にしなければテープは分からない。
誰がしたのかはさておき、原因を探すことにした。
まずは単体点検を行うために、スピードセンサーのコネクタを探すと・・・・・・
原因は判明。
知人に対しては、配線の修理とメーター内のテープを取るように説明し持って帰ってもらった。