P0171(O2センサーリーン異常)/ヴィッツ | 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!

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走行中にエンジン警告灯が点灯したという平成17年式ヴィッツ(SCP90、2SZ)

 

同業者からの依頼だが、依頼者の工場で調べた結果、DTC「P0171」(O2センサーリーン異常)という、トヨタでは定番の異常コードが出たようである。

 

よって、順番にエアフロメータ(リビルト品?)、フロントO2センサー(新品)、リヤO2センサー(新品)を交換したのだが、やはり警告灯が点灯するということで依頼された。

 

 

P0171はO2センサーの信号が、ある条件下(リーン状態が長く続かないと予想される状態)で一定時間以上リーン状態が続いた場合に異常検出するコードである。

 

原因としては大きく分けて2つ。

 

 

本当に、実際に空燃比がリーン(薄い)の時。

 

もう一つは、実際の空燃比は薄くないのに、空燃比を検出するO2センサーの不良で、間違ってリーンと判断する場合である。

 

 

今回は、空燃比を検出するO2センサーは新品に交換済みなので、実際に空燃比が薄いと思われる。

 

 

では、空燃比が薄くなる要因は何かというと、燃圧不足、エアフローメータの特性ズレ、エア吸い、インジェクタの詰り等が考えられる。

 

 

トヨタでは圧倒的にエアフロメータの不良が多いが、リビルト品だが交換済みのようだ。

 

 

念のため、データモニタでアイドル時の空燃比補正値を調べると+20%、補正値は+25%。

 

ともに大きくプラス補正をしていた。

 

 

逆に言えば、それだけ空燃比はリーン(薄い)だということである。

 

 

3000回転時の吸入空気量を調べると、5.3g/sだった。

 

当社で集めていた2SZのサンプルデーターでは、6.5g/sであり、明らかに少ない。

 

過去にデーターから見て、3000回転時に1g/s以上低い場合は、P0171を記憶することが多かった。

 

リビルト品だが、信用するわけにはいかないので、ストックしてあったエアフロメータと交換してみたが、数値に変化はなかった。

 

 

残るは、燃圧、エア吸い、インジェクタだが、エンジンの振れがないのでインジェクタの可能性は低いと思われる。

 

また、点検のしやすさからいうと、エア吸い、燃圧、インジェクタの順なので、まずは、エア吸いの点検を行うことにした。

 

データモニタでO2センサーの電圧を見ながら、パーツクリーナを吸気系に吹き付けていくと、エアクリーナケースの裏部分で、O2センサーの信号に大きな変化があった。

 

 

エアクリーナケース部なので、そのままパーツクリーナが吸気系に吸い込まれて反応している可能性もあるので、ほんの少しずつ慎重に吹き付けて場所を絞り込むと、パージソレノイドVSV部で最も反応することが分かった。

 

パージソレノイドVSVとホースを外してみると、ホースがざっくりと引き裂かれていた。

 

とりあえず、ホースを切ってつないでみると、補正値と学習値を足したものは±7%程度になった。

 

エンジン警告灯点灯の原因は、このホースからのエア吸いだったようである。

 

 

 

P0171の場合は、原因が多岐にわたるので、系統立てた点検が必要である。