近藤精宏の粉引盃 | せともん道楽だもんで・・・

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主に東海地方の焼き物産地の瀬戸・美濃の陶芸作家が作った酒器(ぐい吞)を集めています。
作家が作った酒器は、作家の個性と技術が凝縮され、使って良し、飾って良しのコレクションアイテムです。
そんな酒器の魅力を紹介できたらと思っています。

 

岐阜県瑞浪市日吉町の山中で薪の割木🪵を燃料とする穴窯・登り窯・蛇窯を用いて、

地元の山から取った土・釉薬原料を駆使して作陶するベテラン陶芸家、

近藤精宏 (こんどうせいこう)先生の酒器の紹介です🍶

 

 

近藤精宏 「粉引盃」

 

近藤先生は終戦の年の昭和20(1945)年12月27日新潟県柏崎市に生まれました。

1970年に陶芸家であり陶磁学者でもあった故小山冨士夫(1900年~1975年)先生に師事・内弟子となり陶芸修行を始められます。

美濃の大陶芸家の故塚本快示先生(後に白磁・青白磁で人間国宝に認定)とも深く関わっていかれます。

もうひとり地元の大陶芸家、故荒川豊蔵先生(人間国宝)にも車でお送り迎えするなど深く交流されていたそうです。

1975年、岐阜県瑞浪市日吉町半原にて陶芸家として独立されます。

2000年にNPO法人「瑞浪芸術館」の理事長に就任されます。

 

 

この粉引盃は近藤精宏先生が自ら地元・美濃の山中で見つけ掘り出した⛏️山の土に、

白化粧土を全体に施した作品です。(この白化粧の器を焼き物の種類で「粉引(こひき)」と言われています。)

この化粧土も先生が自らの手で手に入れたものであります❗

 

 

白化粧土だけで無く、美濃の山中に自生する野草や広葉樹を焼いた灰で釉薬を作り、

自然の灰透明釉となって、作品に光沢を作り出しています✨

一見地味に感じてしまいますが、端正な形と何とも言えない気品があって魅力は十分です🥰ステキ!

 

 

近藤先生は自然の山の土の表情・雰囲気を出すために、

取ってきた土を自らの手足で砕き、何度も練って土造りをします😅タイヘンダ~

山土には石の粒などが土の中に混じっていて、その石粒で細かなヒビや凹凸の表情が生まれています。

自然の土は焼きあがると、思いもしない様々な表情があられます❗

 

 

👆上から見ると正円形では無く横に若干歪んでいます。

内側のロクロ模様🌀に、ロクロの回転と先生の指の動きを感じることができるようです。

お酒を注ぐと、いろんなことを考え思いながら美味しい日本酒が飲めると思います😊

 

 

高台部分はとてもシンプルです。

釉薬が全体に掛けられているので、残念ながら高台に見る土の雰囲気を味わうことはできません😂ザンネン

・・・ですが、この盃は見た目よりも、舌で味わい楽しむ作品だと思います😘オイシ~

 

 

桐共箱の箱書きは、師の小山冨士夫先生の字体を踏襲し、とても似ています。

一見するとラフなメモ書きのように感じ「粉引盃」と読み取れないかもしれませんね・・・😂

フタ部分の縦縞木目がハッキリしていて、ボクの好みです。

 

近藤精宏先生の陶房は遠く恵那山や周囲の山々を一望できます。

小鳥のさえずり・虫やカエルの声、小川のせせらぎが響く山中で作陶されています🦉ホーホー

そんな自然豊かな場所で作陶され、自然の素材にこだわり、

薪窯の炎から生まれたこの「粉引盃」は、

自然素材の持つやさしさと炎で焼かれた力強さの両方を合わせ持つ、

すばらしい作品であるんです😊✨✨✨

 

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