加藤高宏の瀬戸黒ぐい吞 | せともん道楽だもんで・・・

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主に東海地方の焼き物産地の瀬戸・美濃の陶芸作家が作った酒器(ぐい吞)を集めています。
作家が作った酒器は、作家の個性と技術が凝縮され、使って良し、飾って良しのコレクションアイテムです。
そんな酒器の魅力を紹介できたらと思っています。

 

加藤高宏 1972年名古屋市生まれの陶芸家。

祖父に瀬戸が生んだ伝説の陶工 加藤唐九郎 (1897年~1985年)、

父は唐九郎の三男で陶芸家 加藤重髙 (1927年~2013年)、

そして叔父に唐九郎の長男で孤高の陶芸家と言われた 岡部嶺男 (1919年~1990年)を持つ、

現代陶芸界のスーパーサラブレットであります❗

 

愛知県名古屋市守山区翠松園で邸宅ならぶ高級住宅街の一画で、

祖父の加藤唐九郎が数々の名品を焼いた窯を使って焼いている人気陶芸家、

加藤高宏 先生の 「瀬戸黒ぐい吞」 の紹介です🍶

 

 

この加藤高宏(たかひろ)先生の瀬戸黒ぐい吞🍶は付属する陶歴表から2007年に発表された作品です。

高宏先生は1972年生まれで、この作品は恐らく35歳頃の作品だとおもいます。

某デパートで売れずに残っていたもので、未使用のデットストック品を購入したものです😜

 

 

唐九郎先生が自ら築いた翠松園の穴窯の温度が1200度に達したところから、

鉄はさみで真っ赤に焼けた🔥このぐい吞を取り出し、

数分置いてから冷水につけて急冷されて、この漆黒で独特なヒビ割れ模様が現れました😆

 

 

瀬戸黒に使用される釉薬の主原料は瀬戸や美濃の山から採れる鬼板と言われる鉄分を多く含む土で、

鬼板と少量の灰や長石などの原料によって生まれます。

そんな窯から引き出す技法のため、鉄鋏が届く範囲しか焼けず多くの作品を作ることができません💦

そのため高宏先生の瀬戸黒作品は非常に数が少なく希少価値もあります❗

 

 

このぐい吞は桃山時代の瀬戸黒茶碗を思わせる力強い造形に、

どっしりと地面をつかむような堂々とした佇まいがあります❗

長い経験と練達した瀬戸や美濃のベテラン作家が作ったかのようなオーラをもまとっています❕

当時35歳で若い高宏先生が作ったとは思えない程の完成度と雰囲気があるのが不思議です👏

 

 

上から見ると楕円形をしているのがわかるとおもいます👀❗

内側も全体にびっしり細かなひび割れ模様が現れ、

抹茶茶碗のごとく底には茶だまりも作られています。

茶陶を主に作る高宏先生はぐい吞🍶にも茶碗を意識して作っているのがよくわかります😆

 

 

高台部分が自分は一番好きなところで唐九郎先生が高宏先生のために遺した宝の土を見ることができ、

志野と同じような性質の多少鉄分を含むもぐさ風な茶色ぽい土を使っているようです👀

この土は唐九郎先生が見つけた土なんだと思うと感無量です…🥰

高台横にまるで海賊の傷のように力強く大きな十字の彫り名があります😎❗

 

 

付属する桐箱は15年前と言うこともあり傷は無いものの、

経年により多少焼けがあって真新しさはありません😥シカタナイ・・・

紐は紺地に金色の柄が高級感があっていいですね🥰

上フタに書かれた墨の字体は疾走感はありますが、う~んまだ若さがあり、まだ趣はありませんね…😅

 

 

加藤高宏先生はデビューした当初から高い人気を誇り、制作の主軸が抹茶茶碗で、

茶碗を作って余った土からぐい吞を作っていたため、年に数個しか作られません😅キショウダ・・・

個展に出品される酒器類は一瞬で売りきれる程人気がありました❗

現在も変わらず高い人気があり個展等出品されると開店前から並び、

抽選券を貰って当たった方だけが買うことができるプレミア品になっています💦

(その希少性から中古市場に出ると10万円以上のプレミア価格が付くことがあります)

 

その高い人気の理由は、唐九郎先生とお父様の重髙先生の工房で製作を行い、

焼き物の命、陶土や釉薬も唐九郎先生が生前に瀬戸や美濃の山々から集めた希少な土を使っています❗

唐九郎先生は土をこよなく愛し、土にこだわり抜いた陶工でした。

こんな言葉を残しております👇

「ツチ、つち、土 一にも土、二にも土、三にも土、
陶工の生活は土にあり、土にくれる土の生活である。

私は土を食って生きている。まるで、みみずのように…。
あこがれの土、いとしい土、おもいでの土、土こそ私の命だ。
土を離れて私というものはあり得ない。私が生きているのは土あるがためだ。」
と❕

そんな良い土を終生追い求め続けた唐九郎先生の土を使って、

唐九郎先生の窯で焼いて作られる高宏先生の作品は素晴らしくない訳がありません❗

(生前、父である重髙は唐九郎が遺した陶土などを使わず、息子である高宏が使うために残したとか…)

 

さらに入手困難にしているのは…😥💦

2014年に大麻所持で逮捕され🚓、その逮捕によって製作ができなくなったため、

作品流通が無くなり、さらに希少性があがり未使用の酒器の入手は難しい状況となっていました😓

2019年に陶芸家として出所後、初の個展を行い復活されました😄ヨカッタ~

 

 

そんな手に入れるのも難しい加藤高宏先生ぐい吞が縁あって自分の元にやってきました❗

高宏先生の特に人気がある作品は志野と瀬戸黒で、特に瀬戸黒のぐい吞は本当に珍しく希少です✨

作品の質も上質で、購入額も当時の販売価格の据え置きだったので、

現在の個展時の発表価格の半額以下で購入できました😆ヤッタ~!

 

 

自分がミーハーで高宏先生の酒器が酒器コレクターやマニア垂涎の的になっているため、

投機を目的にして買ったと思われるかもしれませんが…💦、

高宏先生のぐい吞を欲しいとは思っていましたが、個展初日に朝から並んで抽選で運よく当たり、

そんな労力をかけても運頼み🙏というのはどうかと思っていました😥

それがまさかの未使用のデッドストック品に偶然出会い、それも希少な瀬戸黒のぐい吞で質も上質、

ヤフオクや通販などで買った出どころ不明のものと違うデパートでの購入品です😍

この瀬戸黒ぐい吞の良さと価値が誰よりも分かり理解できるボクだから、

ぐい吞が自らボクの元にやってきてくれたと感じて嬉しくなりました💛

 

最後に加藤高宏先生は逮捕歴🚨はあるものの、その前科と空白期間を補うだけの魅力が作品にあり、

作品自体がひとりで前に進んでいくような力があって説得力を持っていると思います❗

それは唐九郎先生と重髙先生がいつまでも遠くから高宏先生を見て力を与えているからなのかな…😇🌟

 


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