国のメンツ 浪費17年 仕分け「もんじゅ」存廃議論へ
「東京新聞」によりますと、
「“夢の原子炉”と呼ばれながら、トラブル続きで
ほとんど稼働していない高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の存廃が、
20日の政府政策仕分けで議論される。その歩みを振り返ると、
この先も膨大な国費を浪費し続けるのかと、率直な疑問が浮かんでくる。
◇ 事故
総事業費に約兆円もかけながら、稼働してから17年間で、
動いたのはたった2百数十日間。「発電しながら燃料を生む
未来の原発を開発する」とのふれこみだったが、
実績からすると、もんじゅは壮大な無駄遣いだったといえる。
文殊菩薩(ぼさつ)に由来するその名を広めたのは、
試運転後すぐの1995年に起きた事故だ。
核燃料を増殖させるため、冷却材に使う
液体ナトリウムが配管から漏れ、空気に触れて火災を起こした。
事故映像を隠していたことも発覚した。
昨年、14年ぶりに運転再開にこぎ着けたのもつかの間、
燃料交換用の機器が原子炉容器に落下し、あえなく再停止に追い込まれた。
停止中でも、液体ナトリウムを循環し続けるなどの
維持費が年間2百数十億円かかる。
機器落下による炉内の損傷状況を調べようとすると、
170億円もかかることが判明している。
動いていても止まっていても、途方もない金食い虫だ。
◇ 背景
扱いの難しいもんじゅだが、
核燃料と液体ナトリウムさえ抜けば停止できる。
それでも国がこだわってきた背景には、
原発が抱える最大の課題である使用済み核燃料の存在がある。
全国の原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、
高速増殖炉の燃料として再利用できれば、燃料は節約、
核廃棄物の処分量も減る-。こう強調され、半世紀前から
国の原子力政策の要に据えられてきた。
もんじゅのパートナー役が再処理工場(青森県六ケ所村)。
電力各社の資金で1993年に着工したものの、トラブル続きで
竣工(しゅんこう)予定は18回も延期を繰り返してきた。
総額2兆円を投じながら稼働のめどが立たない点は、
もんじゅそっくりだ。
もんじゅをあきらめれば、ここに燃料を供給するための
再処理工場も不要になる。日本が保有するプルトニウムは
核兵器ではなく発電のため、との主張の根拠がなくなる。
巨額の資金をかけ、国の重要施策として進めてきただけに、
やめるにやめられないのが実情だ。
◇ 地元
立地対策として交付金だけで103億円を受けてきた
地元・敦賀市の受け止め方は複雑だ。事故の不安もつきまとうが、
もんじゅがあり続ければ一定の雇用効果が期待でき、
国内外の研究者の往来も見込める。河瀬一治市長は
「いまさら廃止は考えられない」と話す。
福井県にとっては、もんじゅを受け入れるかわりに
北陸新幹線を延伸させる取引材料として
政治利用を模索してきた経過もある。
もんじゅの廃止論は1995年の事故後にも浮上したものの、
いつの間にか必要論にすり替わった。仕分けのメスはどこまで入るのか。
20日の議論に注目が集まる。」とのことです。
動かない、動かせない「もんじゅ」―高速増殖炉は実用化できない/小林 圭二

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「東京新聞」によりますと、
「“夢の原子炉”と呼ばれながら、トラブル続きで
ほとんど稼働していない高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の存廃が、
20日の政府政策仕分けで議論される。その歩みを振り返ると、
この先も膨大な国費を浪費し続けるのかと、率直な疑問が浮かんでくる。
◇ 事故
総事業費に約兆円もかけながら、稼働してから17年間で、
動いたのはたった2百数十日間。「発電しながら燃料を生む
未来の原発を開発する」とのふれこみだったが、
実績からすると、もんじゅは壮大な無駄遣いだったといえる。
文殊菩薩(ぼさつ)に由来するその名を広めたのは、
試運転後すぐの1995年に起きた事故だ。
核燃料を増殖させるため、冷却材に使う
液体ナトリウムが配管から漏れ、空気に触れて火災を起こした。
事故映像を隠していたことも発覚した。
昨年、14年ぶりに運転再開にこぎ着けたのもつかの間、
燃料交換用の機器が原子炉容器に落下し、あえなく再停止に追い込まれた。
停止中でも、液体ナトリウムを循環し続けるなどの
維持費が年間2百数十億円かかる。
機器落下による炉内の損傷状況を調べようとすると、
170億円もかかることが判明している。
動いていても止まっていても、途方もない金食い虫だ。
◇ 背景
扱いの難しいもんじゅだが、
核燃料と液体ナトリウムさえ抜けば停止できる。
それでも国がこだわってきた背景には、
原発が抱える最大の課題である使用済み核燃料の存在がある。
全国の原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、
高速増殖炉の燃料として再利用できれば、燃料は節約、
核廃棄物の処分量も減る-。こう強調され、半世紀前から
国の原子力政策の要に据えられてきた。
もんじゅのパートナー役が再処理工場(青森県六ケ所村)。
電力各社の資金で1993年に着工したものの、トラブル続きで
竣工(しゅんこう)予定は18回も延期を繰り返してきた。
総額2兆円を投じながら稼働のめどが立たない点は、
もんじゅそっくりだ。
もんじゅをあきらめれば、ここに燃料を供給するための
再処理工場も不要になる。日本が保有するプルトニウムは
核兵器ではなく発電のため、との主張の根拠がなくなる。
巨額の資金をかけ、国の重要施策として進めてきただけに、
やめるにやめられないのが実情だ。
◇ 地元
立地対策として交付金だけで103億円を受けてきた
地元・敦賀市の受け止め方は複雑だ。事故の不安もつきまとうが、
もんじゅがあり続ければ一定の雇用効果が期待でき、
国内外の研究者の往来も見込める。河瀬一治市長は
「いまさら廃止は考えられない」と話す。
福井県にとっては、もんじゅを受け入れるかわりに
北陸新幹線を延伸させる取引材料として
政治利用を模索してきた経過もある。
もんじゅの廃止論は1995年の事故後にも浮上したものの、
いつの間にか必要論にすり替わった。仕分けのメスはどこまで入るのか。
20日の議論に注目が集まる。」とのことです。
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