あぶくま抄(9月4日)

 「福島民報」によりますと、
 
 「橋の上から目を凝らすと川底に銀鱗[ぎんりん]がきらめく。

矢祭町の久慈川のアユ釣りは終盤を迎えた。

スイカのような香りが人気を集める川魚は苔[こけ]をはみ、岩に群れる。

 瀬に立つ太公望は少ない。

原発事故後、県のモニタリング調査で微量の放射性物質が検出された。

久慈川第一漁協の遊漁券販売は前年の三割にとどまる。

「安全基準は満たしているのに…。

カワウやブラックバスの食害なんてかわいいもの」と関係者は嘆く。

町内の旅館や料理店も大きなあおりを受けているという。

 今年は釣りブームが予想された。

震災前、インターネットの情報サイトは「山ガール」ならぬ

「釣女[つりじょ]」をファッションヒット番付の上位に挙げた。

釣り具店やカタログには、色鮮やかな雨具や救命胴衣など女性向けの用品が並ぶが、

釣り場で見掛けることはまれだ。

豊かな自然に触れてみたくても放射性物質を気にして諦める人も多い。

 古里を取り戻すため、表土除去や高圧洗浄などの試みが各地で続いている。

放射線量は、わずかな減少傾向を示すだけだ。

除染で人々の不安を拭いとるには、なおさら時間がかかる。

魚影は濃くても人影まばらな水辺が以前の姿に戻るのはいつの日か。」とのことです。

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