夏も快適、京町家の知恵 床下や坪庭から空気ひんやり

 「日本経済新聞」によりますと、

 「山に囲まれた京都は夏が暑いことで有名だ。

都として長らく栄えてきたが、

先人たちはうだるような暑さをどうしのいできたのだろうか。

1つの解が京都の伝統建築「京町家」にあった。

 6月下旬の雨上がり。蒸し暑く100メートルも歩けば額に汗がにじむ。

京都御所(京都市)から東に数十メートル行ったところの京町家。

中に入るとひんやりとした空気が漂い、汗はすっと引いた。

 京町家でイタリアンレストランを経営する

高橋英司オーナーが案内してくれた。2階建てで吹き抜けもある広い空間。

クーラーもつけてはくれたが、それもわずか10分前。その割にはずいぶんと涼しい。

 ひんやりとした雰囲気の秘密を床下に見つけた。

床下の開口部に手をかざすとわずかに冷気があたる。

外壁と地面の隙間から縁の下に取り込んだ冷たい外気を、室内に引き込んでいた。

開口部は板を左右にずらして開けたり閉じたりできる。

夏は涼しい空気の流れを通し、冬は閉じて室内の暖気を逃がさない。

 吹き抜け部を見上げると、天井近くにも円形の開口部が幾つも並ぶ。

暖かい空気は軽いので天井にたまり、穴から外へ逃げる。

 暑さをしのぐ知恵は、空気の流れをつくる工夫そのものだ。

風を取り込んだり、対流を起こしたりする。

建屋内外の暖気や寒気が緩やかに混ざり合う空間を多く採用した間取り。

室内の空気を動かし、夏の暑さや冬の寒さを和らげる仕組みだ。

 現代住宅の基本設計は、

建物の内と外を断熱材などでいかに遮断するかに力を入れる。

暖気も冷気も建物の中に閉じ込めて冷暖房にかかる費用を削減できるという具合だ。京町家はまったく逆の発想だ。

 「京町家は建屋だけではなく、

庭とセットで考えないといけない」――。

京町家に詳しい京都大学の高田光雄教授はこう指摘する。

対流を促す仕掛けは絶妙だ。」とのことです。

京都の流儀 (翼の王国books)/徳力 龍之介

¥1,301
Amazon.co.jp