アメリカの『9・11』のあの凄惨な映像、

旅客機がビルに激突するニュース映像を

皆さんも、覚えていらっしゃることと

思います。あの時、アメリカでは、

繰り返し、放映されるそのニュース映像を

親と一緒に見ていた子供が

「また、飛行機がぶつかって来たの?」

「なんで、誰も止めないの?」と、

尋ねる子供が続出したため、

ニューヨークの小学校の先生から、保護者に対して、

「ニュースは、子供には、テレビで見せないように」という

通達が出回ったそうです。

 その教訓が、日本の『3・11』では、活かされなかったようです。

普段、「テレビなんか、見てないで、勉強しなさい」と言われる、

子供たちでも、親がニュースを食い入るように、見ていたら、

何か、ただならぬ空気を察して、一緒に、見てしまいますよね。特に、

男性の方に、多かったようなのが、

「被災者の方は、大変なんだから、我々も、

それを真っ正面から受け止めなければならないんだ」

「だから、お前たちも、みんな見なさい」と

いう、声でした。でも、

あの恐ろしい“津波の映像”を見てしまうと、

日本人の多くは、

「自分には、何もできなかった」

「誰ひとり、助けであげられなかった」という、

無力感と、何か

『罪』の意識としか言いようのないものしか、

残らなかったのではないでしょうか。

被災地以外の、大人でさえ、

心理的、精神的に、被災してしまうような

恐ろしい“津波の映像”ですから、

それを見せられてしまった

子供に与えた影響は、5年後、10年後でも、

計り知れないほど、大きなものになってしまうのかもしれません。

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