大切な場所~プチマルシェ | 自然の話をしよう。

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普段なら見過ごしてしまう、自然のアンナコトやコンナコト。古風な角刈り
(自称 五分刈り)の三十路男子・板さんがカメラや旅を通じて、大好きな
自然にまつわることを、独断と偏見そのままに紹介します。

2013年、僕ら家族はとてもいい出会いに恵まれた。きっかけは、嫁さんのひと言。

「プチマルシェっていう雑貨屋さんが長野の山奥で山小屋を

 オープンしたから、泊まりに行きたい」

一度訪れただけで、わかった。ここは、何度でも訪れたくなる、そんな場所だと。

 

長野県伊那市、高鳥谷(たかずや)さんの“麓”というか、“中腹”というか

わからないけど、別荘がぽつぽつと建つ高原にプチマルシェはある。

 

今年で4回目。毎年、気候の良い5月ごろに訪れることにしているけど、

オーナーの大竹さんに「今年はキノコの美味しい季節に行きたい」と相談し、

10月を選んだ。少しずつ寒くなる時期だけど、カラマツ林にはハナイグチ

(通称カラマツダケ)が出る。

 

きっと、ハナイグチのパスタかなにかを出してくれるのでは、という浅はかな

期待を胸に出かけたのだが、どうやらハナイグチの発生はまだ初期とのこと。

 

気を取り直して、プチマルシェに併設した山小屋mokkiでK太とコーヒーを

挽き、薪を割り、ストーブを焚く。ここでは、「過剰なサービスはなし」が原則。

だから、新鮮。自分たちの時間を、好きなように使える。そこがたまらなくイイ。

 

大竹さんの用意してくれるディナーは、年に一度の贅沢。

ウラベニホテイシメジや畑で採れた野菜を使ったオードブル、

ウクライナ風ボルシチ、パスタ二種、鮎のコンフィ、骨付き鳥モモ肉の

チリンドロンソース…ご主人が作るバスク・南仏料理はどれも

すばらしい出来栄えで、そのおいしさは感動モノ。

 

翌朝、キノコ採りの適地を尋ねると、「ずっとまっすぐいったとこ」的な

ざっくりした説明があり、素敵なカゴを貸してくださった。

家族で出かけてみると、そこはかなりの急斜面。なんか、「コイツなら

どこでも行けんじゃね?」と思われていないだろうか(笑)

 

まだまだキノコは少なかったけど、収穫は充分。出始めのハナイグチが15本、

マツボックリ、彩りに採った赤いベニタケ(これは食べない)。

 

それから、たまたま見つけたヒキガエル。K太はこのあと、長々と

カエルで遊んでいた。

 

今でも時折、長野の山奥に思いを馳せる。

あの素敵な場所は、今どのような天気だろう?大竹さん一家は元気かな?

来年はいつ行こう?そして、何をしようかな…。

 

毎年1度だけのお楽しみ。おいしい料理や自然とのふれあいだけじゃない。

理想のご家族、大竹さん一家との出会いが楽しみで仕方ないのだ。

 

僕らはきっと、また来年も伊那の山奥へ車を走らせる。