全国の警察が昨年1年間に把握したストーカー被害は2万3079件(前年比1・5%増)で、5年連続で2万件を超えた。また配偶者などパートナーに対する暴力(DV)被害は7万2455件(同3・6%増)で、初めて7万件を突破した。いずれも過去最多。警察庁が15日発表した。
ストーカーの被害者は年代別では20代が最も多く、全体の3割強を占めた。9割近くが女性だったが、男性が被害にあうケースも増えている。加害者との関係では、半数以上が交際相手や配偶者(いずれも元を含む)だった。一方、駅などで目をつけてつきまとうなどの「面識なし」や、SNSで一方的に書き込むといった「関係不明」が増加傾向にある。5年前は全体の10%だったが、昨年は15%を超えた。
昨年1月に施行された改正ストーカー規制法で新たに規制対象となった、SNSでのメッセージの連続送信や自宅周辺などをうろつく行為で計147件を摘発。これを含めストーカー規制法違反の摘発は前年より2割多い926件と過去最多となった。一方、傷害や脅迫といった刑法犯などの摘発は1699件と前年より1割以上減った。
昨年6月から警察は加害者への警告を経ずに禁止命令を出せるようになった。このため、禁止命令は662件と前年の3・8倍と急増した。
DV被害は14年連続の増加。被害者の8割は女性だったが、男性の被害も1万2440件と5年前の3・8倍に膨らんだ。警察庁は「男性も被害者になり得るという認識が広がったためでは」と分析している。
参考:朝日新聞