「座りすぎ」の解消で2型糖尿病患者に好影響 | 幸せは手の中に

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2型糖尿病患者は、ときどき立ち上がったり、のんびりと散歩するだけでも血糖コントロールが改善する可能性が、新しい小規模な研究で示された。

 

糖尿病患者では、中強度~高強度の運動を行うよう推奨されることが多いが、患者のほとんどはそのアドバイスには従っていないのが現状だ。しかし、今回の研究では、座っている時間を少し減らすだけでも、血糖コントロールの改善というベネフィットが実際に得られることがわかった。

 

マーストリヒト大学医療センター(オランダ)のBernard Duvivier氏が主導した今回の研究は、2型糖尿病患者を対象に、ときどき立ち上がって軽いウォーキングをするよう促し、座る時間を減らすことが、一般的な運動療法の代わりになりうるのかを調べたもの。

 

運動に関する現行のガイドラインでは、2型糖尿病を予防するには、中強度~高強度の運動を1週間に150分以上行うことが推奨されている。しかし、同氏らによると、患者の10人に9人はこの勧告に従っていないという。

 

同氏らは、男性の2型糖尿病患者19人(平均年齢63歳)を対象に、以下の3つの運動プログラムをそれぞれ4日間行ってもらった。1つめのプログラムは、1日14時間を座位で過ごしながら、ウォーキングを1時間行い、立位で1時間過ごすもの。2つめは、ウォーキングを1日2時間行い、30分ごとに立ち上がって合計3時間を立位で過ごすもの(座位時間を減らすプログラム)。3つめは、1日1時間を座位の代わりに室内でサイクリング運動を行うもの(運動プログラム)。座位時間を減らすプログラムと運動プログラムは、1日のエネルギー消費量が同じになるよう調整した。

 

その結果、座位時間を減らすプログラムあるいは運動プログラムを行うと、対象患者の血糖コントロールが有意に改善することがわかった。とくに座位時間を減らした場合に、血糖値は最も改善していたという。

 

今回の知見に、米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院(ニューヨーク州)のRobert Courgi氏も同意を示している。「長年にわたって糖尿病患者に運動療法を指導しているが、多くの患者では失敗に終わっていた。しかし、結局のところはどんな運動でも血糖値を下げる助けになるようだ。“座っている時間を少しでも減らす”という今回のメッセージは、過去の運動レジメンよりも成功率を高めるものと期待される」と同氏は述べており、この新しい知見は、糖尿病管理における運動療法を再考する際の参考になるとしている。

 

この知見は、「Diabetologia」オンライン版に掲載された。