プロ野球が、今までよりも盛り上がるためにはどうすれば良いのか?
考えてみました。
プロ野球を仮に、事業だと定義します。
つまり課題とは、利益の出なくなっているプロ野球株式会社を復活させるためにはどうするか?という点に尽きます。
まず、プロ野球株式会社という事業は何をしているか?と考えてみましょう。
誰かこの答えに簡単に答えられる人はいらっしゃいますか。
プロ野球の球団は勝つことが至上命題でしょう。
では、日本プロ野球機構は、ここではプロ野球株式会社としていますが、一体何を事業としているのでしょうか。
興行でしょうか。
確かにその通りなのですが、何だかすっきりしないですよね。
ここでドラッカーの意見を借りて、事業とは何か、それは顧客が決めることだとします。
顧客―それは広義の意味で、プロ野球ファンであると思っています。
野球場には行かないけど、結果は気になる。
特定選手のファンがいる。
毎月、野球場に行って選手たちを応援している。
阪神に人生をささげている。
いろんなファンがいらっしゃるでしょう。
そんなファンが、プロ野球株式会社の顧客です。
では、さらに分析しなければいけない点があります。
ドラッカーは言いました。
事業の目的として有効な定義はただ1つ。
顧客を創造することである。
どういうことかと言えば、プロ野球株式会社はプロ野球ファンを創造し続けることでこそ、事業が成り立つということです。
逆に言い換えれば、ファンの創造を止めてしまうと、事業は成り立ちません。
では現在のプロ野球株式会社は、どんな「ファンの創造」を行っているのでしょうか?
ファンサービスは、既存顧客へのアフターサービスです。
それはある商品を購入した顧客に対してのサポートであり、商品を購入していない顧客には無意味です。
まず、解決しなければいけない問題が、ここで浮かび上がりましたね。
プロ野球株式会社はどのような形で、顧客の創造を行うべきか。
さらにドラッカーからお力を拝借します。
ドラッカーは言いました。
企業が自ら生み出していると考えるものが重要ではない。
顧客を何を価値として、商品を購入しているかが重要である。
つまり、プロ野球自らの努力でいろんなイベントを開催していますが、それをすることが重要では無く、ファンは何を思い、球場に通い、ファングッズを購入しているかを考える方が重要だということです。
つまり顧客の考える価値を、常にプロ野球株式会社が供給出来ているか、という点です。
もっと考えれば、プロ野球ファンは何を価値と考えているか。
さらに、解決しなければいけない問題が、ここで浮かび上がりましたね。
さらに通常の株式会社と違い、社員―プロ野球選手が主体である点は大きいでしょう。
ストライキの時もそうでしたが、選手がグラウンドで試合を行わない限り、事業は全く成り立たないのです。
監督や球団職員、ましてや球団社長がグラウンドに出てきても、何も出来ないのです。
ここで思うことがあります。
顧客は、何を価値と考えているか。
そしてプロ野球株式会社は、どんな形で顧客を創造するべきか。
この2つの質問を1つにすると、プロ野球株式会社が創造した顧客は、何を価値と考えているか。ということになります。
つまりプロ野球ファンを増やすためには、プロ野球ファンが「ファンになって良かった!」と思えるキッカケを行い続ければ良いということになります。
プロ野球ファンが「ファンになって良かった!」と思えるキッカケ。
球団の優勝?
CSの進出?
だったら横浜やロッテ、オリックスのファンはどうなんのさ。w
結局、プロ野球選手がプロ野球らしい仕事をグラウンド上で発揮することに尽きるんじゃないでしょうかね。
プロフェッショナルらしい仕事をグラウンドで発揮する。
僕は、そう言う意味でサイン会なんかは、確かにファンサービスではあるけれども、顧客へのサービスではないんじゃないか?と思ってしまう。
理想はグラウンドで活躍するプロフェッショナルが、ファンサービスをすることでしょうけど。
プロフェッショナルになれない選手が、ファンサービスとしてサイン会というのは、それはファンサービスでは決して無いと思う。
つまり、今こそ、プロフェッショナル野球選手の創造することで、プロ野球ファンの創造、そしてプロ野球の復活に繋がると考えます。
そのために、どうすれば良いか?
例えば巨人みたいに、3軍を勝手に作り、対外的な試合をより多くすることで、プロフェッショナルへと近付けることも1つでしょう。
もしくは楽天みたいに、プロフェッショナルの生き字引のような人間を監督に据えて、人材教育に励むのも1つでしょう。
結局、今のプロ野球の体たらくは、プロフェッショナルな野球選手の育成と、彼らが活躍出来る現場の提供を怠ったがために、彼らを国外に自ら放出してしまったツケなんです。
まずは、グラウンドで活躍する選手に、そしてプロ野球関係者に「プロフェッショナルとは何か」を考えさせることから始めましょうか。