さぁ、いよいよやってまいりました。
明日からいよいよ、デスプロジェクトへの参加です。
数日前のブログでチラリと話題に上げた職人さんが参加しているプロジェクト。
これが完全にデスマ状態なんですね。
コードを書けば、いける。
これぐらいのことなら、特に問題ない。
だいたい、いけるもんですよ。
こんな事を平気な顔をして言う訳です。
で、僕が「じゃあスケジュールを出して下さい」と言うと「そんなのはいらない」とか「書いても良いけど、その通りにはいかない」とか訳の分らないことを言い出す始末。
豆腐の角に頭ぶつけないかなぁ……と、ずっと思っていました。
結局、僕のプロジェクトが、職人さんのしているプロジェクトを終えない限り、次に進まないので、参加せざるを得ません。
僕の上長が、しきりに「このプロジェクトはやばい」と連呼するのですが、そんなことは解っています。
じゃあ、お前、プロジェクト遅延の責任取れ!とか、職人さんに嫌われたくないあまりに、放置した責任がこの結果じゃねぇか!と言いたくもなるのですが、それは胸に閉まって「そうですねぇ、死にますねぇ」と言ってみる。
やはり、腹が立つのは、この職人さんですわな。
これは全世界のエンジニアだけでなく、ビジネスマンに言えることなのですが、自分が出来るから他の人も出来ると思っている奴が多過ぎる。
なぜ、プロジェクトを成功に導けたかを考えた時に、
1. 仕組みが良かった
2. 個人の能力が良かった
だいたいが、どちらかと思う訳です。
どちらが持続可能な成長を描けるかと言えば、1. だと思います。
しかし、ちょっと仕事が出来る奴は、どうしても2. で物事を進めてしまう。
周囲の人間は、そいつが仕事出来る人間なので、それを注意しようとしない。
あほか、と。
成果が出る仕組みを組織内に根付かせ、制度にすることが、最短で「成果を出し続ける状態」への近道でしょう。
スポーツでもそうですが、全ては基本があって、応用があり、自己流が成り立つ筈です。
土台となる部分が自己流だったら、いずれその人の進歩は止まります。
20代に活躍出来たプロ野球選手が、30代に活躍出来なくなるのは、野村監督が喝破しているように「自分の能力だけで野球をしているから、能力が何れ衰えることを解っていない」点にあります。
応用力や、自己流は、何れ自身の能力に頼っている限りは、衰退するんです。
衰退するとき、新しい応用力や自己流を身に付けることが出来るかが、鍵です。
その時に、芯となる基礎があるか無いか、は大違いです。
プロ野球選手の場合、基礎体力でしょう。
身体の強さであり、ケガをしない肉体が、バッドのヘッドスイングや球のキレを持続させる。
では、エンジニアの基礎とは何か?
そう考えると実は一杯あるので、一概に言えないと思うのですが、ただしプロジェクト運用の基礎は、恐らく時間ではないでしょうか。
納期。
開発人月。
納期内にプロジェクトが成功するよう、成功に見合った人月を切る。
これが基礎だと最近は思うのです。
納期内に終わらない。
成功に見合った人月が切れない。
これが、デスマの最大の原因だと思います。
しかし、職人肌のエンジニアは、これが出来ちゃう。
出来ちゃうから、職人肌と周囲からは見られちゃうんでしょうけど。
彼らは決まって「時間なんて関係ない」「納期なんて気にしてたら負け」と言います。
しかし、それは彼らが天性で仕事をしているからであって、それが出来ないエンジニアは当然出来ない。
じゃあ、それは出来ないエンジニアが悪いのか。
それは違うのではないでしょうか。
確かに、そうやって天性や感性で仕事が出来、かつプロジェクトを成功へと導ける人は良いでしょう。
しかしいつまでも、それで仕事が出来るとは、とても思えない。
プログラマ35歳定年説というのも、プログラマという職業の場合、35歳になったら感性で仕事が出来なくなってしまうから、そう呼ばれているのではないでしょうか?
プロジェクトを成功させるために、時間管理を行い、納期と人月に気を付ける。
これが僕の考える「基礎」です。
だから、この半年ほど、プロジェクトの運営にあたり、この基礎を繰り返しました。
最初の頃は、時間管理を考えもしなかったメンバーが、最近は「納期以内に間に合わせるために、自分の最善を尽くすにはどうすれば良いか」「時間管理をして、40時間を有効に使う」と口に出し始めていました。
それが、デスマーチのせいで、全てが降り出しです……orz
個人的な意見かも知れませんが、天性や感性で仕事が出来る人は、全体の1%、それでも持って1年。
最近、そう思うのです。